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#498 ノバさん、お願いがあります

#498


「でも、まずはマンディ号の準備をしなきゃね」

 アリスはそういうと、マンディ号のホールド解除を始めるためにハルトに通信をいれる。


「こちらアリス、ハルト隊長に申し上げます」

「おう、アリスか、どうした?」


「はい、今ですね、マンディ号を旗艦ルミナス内に格納したままで惑星ルクレアを離脱してインターワープ3を通る航海計画を立てています。もし可能であれば、ミーナミ船長にマンディ号を操船してもらってインターワープ3を航行させてあげたいのです。是非ともハルト隊長の許可をいただければと思うのですが」


「ハルトよりアリスへ、マンディ号はインターワープ3を通過できる性能はあるのかい?」

「ハルト隊長、ミーナミです、会話の許可をお願いします」


「ミーナミ君、よかろう、許可しよう」

 ハルトはちょっと偉そうに答える。


「ハルト隊長、ありがとうございます、マンディ号は練習船なので、航法ユニットを搭載していません。船自体の性能は大丈夫です」


「そうか、なら、ミーナミ船長がきちんと航海計画を出してくれれば、インターワープ3の自力航行を認めよう、航法ユニットは妻であるノバに頼むようにな」


「ハルト隊長、ありがとうございます』

「やったー」

 通信が終了するとアリスは両手を上に挙げて喜ぶ。


「ミーナミ船長、じゃあ、ノバ中佐に航法ユニットとして活動してくれるようにお願いしてくださいね」


「アリスさん、ありがとう、やってみます」

「じゃあ、私はマンディ号のインターワープ3対応の作業に入るから、ミーナミ船長はブリッジに上がってね」


アリスはそういうと右舷デッキに向かう。ミーナミがルミナスのブリッジに戻ると、ノバがいる。

ミーナミはノバの前に向かい合うと、姿勢を正して、お願いする。


「ノバさん、お願いがあります」

 ミーナミの改まった様子にノバは驚く。


「え?なに?どうしたの?」


「はい、実はですね、宇宙船マンディ号でインターワープ3を自力通過したいのです」

 ノバはミーナミの申し出にちょっと驚くが、すぐに平静を取り戻す。


「インターワープ3の航行にはかなりの危険が伴うのは覚悟できてる?」


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