#497 惑星ルクレアの重力圏を離脱後はマンディ号で航行したいのです
#497
「さっそくだけど、ミーナミ船長、ここから惑星エリシアまでマンディ号を旗艦ルミナス内に格納したまま航行することもできるけど、それでいいかな」
アリスは最初の考えをミーナミに提案する。
「アリス中佐、マンディ号船長としてはできれば、惑星ルクレアの重力圏を離脱後は自力航行させてもらえるとありがたいのです」
ミーナミはそういって、アリスに自分の思いを伝える。
「え、どういうこと?」
アリスが思わず聞き返す。
「惑星ルクレアの重力圏を離脱後はマンディ号で航行したいのです」
「でも、マンディ号って宇宙大学所属の船籍ですよね?大学所属船では、インターワープ3の航行は認められないのではないでしょうか」
アリスは宇宙航行に関する法律を知識の中から引っ張り出して、ミーナミに尋ねる
「そうなのですが、もしいい方法があれば、船長としてマンディ号を操船して、インターワープ3を通行してみたいのです」
ミーナミはそういいながら、チョコの方をちらりと見る。
「アリス殿、それは大丈夫でござるよ、拙者かノバ殿がマンディ号の航法ユニットを務めれば可能でござるよ」
「でも、それってルミ姉やハルト隊長が承認してくれるかなあ」
アリスが心配そうにチョコに言う。
「まあ、ミーナミ殿はノバ殿の夫になったのだから、きっとハルト隊長は承認してくれるでござるよ」
ミーナミは自分が船長としてインターワープを通過してみたいという思い付きのために、フェニックス隊のあちらこちらに迷惑をかけることになることに今更ながら気が付く。
「あの、アリスさん、自分の希望がそこまでみなさんに迷惑をかけることになるなんて、考えてなくて・・・ごめんなさい」
ミーナミはそういいながら、思わず涙ぐんでしまう。
「いいのよ、ミーナミ船長、きちんと計画してハルト隊長に上申してもらえばきっとわかってもらえるよ」
アリスがそういうと、チョコもうなずく。
「じゃあ、ミーナミ殿は冒険の前にまずハルト隊長をうーんとうならせる企画書を作るところからでござるな」
「・・・そのようですね」
ミーナミとアリスはチョコのセリフを聞いて、笑い出す。




