#494 果たして人間とRAIで子作りは可能なのか?
#494
そしてハルトの顔を強引に自分に向かせて、ぶちゅっと情熱的なキスをする。
「ちょっと・・・ティアナ・・・息ができないよお・・」
「ハルト隊長、自分も隊長の妻であるからにはルミ姉と同じように赤ちゃんが欲しいんだけど」
ハルトはティアナの熱烈なアプローチに面食らっていたが、とりあえず、ティアナを落ち着かせるために抱きしめる。そして耳元でささやく。
「じゃあ、今夜は三人で寝ようか」
「うん!」
ティアナはそういうと、ハルトに抱き付いてキスをする。
「ルミナもおいでよ」
ハルトはルミナも呼んで、三人一緒にベッドに向かう。
両手に美女のハルトは男冥利に尽きるうはうはのはずなのであるが、ここに大きな疑問を持っている。
「果たして人間とRAIで子作りは可能なのか?」
ということである。
そもそも人類の知性の大元であろうRAIが人類と子孫を増やすことなど考えられているだろうか。
なぞは深まるばかりであるが、ハルトはルミナとティアナと愛し合うことはちっとも嫌ではないのである。
ハルトは考える。
人類というか人間は独立した存在である。体は完結しており、宇宙空間であってもちゃんと存在している。
ということは、体そのものは技術さえあれば完全に複製することが可能であることを意味している。その際に知識や記憶、そして人格と呼ばれる部分までも複製することができるのであろうか。
人間は頭脳で考えたり体を動かしたりしながら生活している。一見、脳というモノがあれば、人間は成り立つように思える。
そうであれば、脳をも含めて完全に複製すれば、記憶や知性も含めて完全に同じ人間をコピーすることができることになる。
だが、現状では誰もがそれは難しいと考えている。つまり、体というモノは複製できても複製できない部分があると考えているからだ。では、複製できないものは何か。それが心と呼ばれる部分なのであろう。心は物質ではないなにかだ。だから複製できない。




