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#491 おお、よしよし、カアチャはここだよ

#491


「うん、いいとも・・・って言いたいとこだけど、私にもさっき言った以上のことはよくわかんないんだよねえ・・・」


 ものづくりや情報、宇宙の万物についてなど、なんでも知っていそうなアリスにもわからないことがあるらしい。


「トウチャ、カアチャああ・・ふええーん」

 女の子ちゃんは唐突に目を覚ます。そして周りを見回して、不安を感じるのか大きな声で泣き始める。


「おお、よしよし、カアチャはここだよ」

 ノバがすかさず娘ちゃんを抱き起こすと、慣れたって付きでそのまま胸元に抱っこする。女の子はノバに抱っこされて温もりを感じることで安心できたのか、しゃくりあげながら周囲をきょろきょろと見まわしている。


 女の子の横でミーナミが目を細めて見守る様子は完全に父親のそれだ。


「ノバは女の子ちゃんの本当のお母さんみたいだね」

 ルミナがノバの様子を見て言う。


「うん・・・だってこの子、私のことをカアチャっていうんだもん」

 娘ちゃんはノバに抱っこされてしばらくするとノバの胸に顔をぎゅっと押し付けたまま再び寝てしまう。


 ノバは女の子が寝付くと、ちょっと名残惜しそうにベッドに寝かせる。そして女の子の寝顔を飽きもせずにじっと見守る。


「ねえノバさん、この子の名前なんだけどさ」

 ミーナミが席を離れて、ノバの耳元に口を近づけて話しかける。


「この子の名前?」

「そう、ノバさんと自分を親だと思っているんだから、俺らが名前を付けてあげるのがいいと思うんだけど」


 ミーナミはそういうと、ノバをじっと見つめる。周囲にいる皆は、さもありなんとばかりにウンウンとうなずいて同意する。


「でも私たちが名前付けちゃっていいの?」

「だって、この女の子ちゃんのお母さんはノバさんだし、お父さんは自分らしいからね」

 ミーナミは心を決めたようにノバに言う。


「・・・うん・・・わかった・・・」

 ノバはしばらく考えてから答える。


「じゃあ、この子の名前は・・・どうしようか?」


 ミーナミの催促に、ノバは小声で答える。


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