#490 その子はカノンちゃんやチョコちゃんと同じSAIでーす
#490
「ミーナミさん、始めるよ」
アリスはそういうと、RAIスキャナによる検査を始める。
さっきよりやや強い光がミーナミの体の上を往復する。検査が終了するとアリスはさっそくスキャンデータの処理に入る。
「うーん、おお、これは・・・」
アリスは真顔になったり、にやにやしたりと忙しく表情を変えながら処理を進める。
「じゃじゃーん、それでは女の子ちゃんの正体を発表しまーす、その子はカノンちゃんやチョコちゃんと同じSAIでーす」
おおっ、やっぱりそうだったかーとあちこちから声が聞こえる。
「そうなんだ、じゃあ、女の子ちゃんは成長すればRAIになるんだよね?」
ノバがアリスに尋ねる。
「うん、ここまではノバ姉の言うとおりなんだけど、もっとびっくりすることがあるんだ」
「アリスちゃん、勿体付けないで、言ってよ」
「うん、じゃあ言うね、その子はノバ姉とミーナミさんの娘ちゃんでーす」
「ええっーーー」
衝撃の結果に一同から驚きの声があがる。アリスの説明は続く。
「ノバ姉の航法ユニットに刻まれているRAIとミーナミさんが持つ人類としてのDNA、この二人の特徴を女の子ちゃんはしっかり受け継いでいて、正真正銘この子は二人の立派な娘ちゃんでーす」
アリスの発表にノバもミーナミも目をぱちくりとしている。
「ねえ、その特徴のミックスはいつ行われたのかねえ」
それまで黙っていたティアナが言いづらそうにぼそっと聞く。
「それは、夕べ、と思う」
ノバが答えにくそうに言う。
「じゃあ、夕べの今日でもう二人は子持ち様なのかしら」
ルミナが大真面目に問い詰める。
「そういわれても・・・」
ノバとミーナミは顔を見合わせるが、最適な答えは思いつかないようだ。
「まあいいや、それは後で考えるとして、今はこの子をどうするかだろう?」
隊長ハルトは事態の収拾にかかる。
「そうだね、アリスちゃん、この女の子ちゃんのこともう少し詳しく教えて欲しいかな」
ノバがアリスに尋ねる。




