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#その49 もっとホメテ、ルミ姉、すごいでしょ、ノバ頑張ってるよ

#その49


 宇宙空間は広大だ。同じ惑星域の宇宙空間だけでも全体を把握するのはとても難しい。だが、ノバはこれまでの自身の経験と情報を集めることで宙域全体をいとも簡単に掌握して、ここに宙域図として表示することができる。


 これが古から存在するRAI航法ユニットの実力なのだ。地球で詳細なマップを誰で無料で表示することができ、目的地までのナビゲーション表示しながら移動することができるのはとても便利だ。


 だがここは宇宙空間だ。惑星の地図と違い、一部しかわからない宇宙地図を表示できるのは大きな

アドバンテージなのだ。


「ノバ、すごいぞ。見直したぞ、偉いな」

「えへへ、ハルト船長、もっとホメテ。ルミ姉、すごいでしょ、ノバ頑張ってるよ」


 ノバは胸をそらして今にも倒れそうなほどふんぞり返って威張っている。

「ノバ、調子に乗るんじゃないよ。表示するくらいなら私にだってできるよ。」


 ルミナはこれまでのノバの言動をよく知っているので、くぎを刺すことも忘れない。

「船長、ルミ姉、さあ、これからがこのノバ様のすごいところなんだからよく見ててね。」


 ノバはそういうと、現在位置から惑星アルメリアに向けてナビゲーションするための航路計算を始める。宇宙空間は地上と違って3次元の立体構造なので、複雑さは文字通り桁違いだ。計算に入るとノバは真剣な顔つきになる。


 普段のへらへらした子供っぽいノバからは想像できない。例えるなら神々しいという表現がぴったりで、その昔地球にいたという八百万の神々が下々をを導くときの顔に見える。


「船長、航路計算終わったよ。この艦の現在位置から惑星アルメリアまでの最短コースを算出したよ。これで大丈夫なはず!」

「わかった、では本船はノバ算出航路により惑星アルメリアに向かう。」


「船長、ノバを信頼してくれて、ありがとう。」

「本船は現在より小惑星ベルトを抜けて惑星アルメリアまでの最短コースによる移動を開始します。ノバ、ナビゲートよろしくお願いします!」

 ルミナはそういうとノバの決意を確かめるようにノバの顔をじっと見つめる。


「まかせてよ!」

 ノバは自信満々にそういうと、RAI航法ユニットの本領を発揮してルミナとともに小惑星ベルトへの航行を開始する。


「船長さん、これからが本番よ。」

「ああ、わかっているさ。この艦にはルミナがいるし、俺もいるからな。」

ハルトも決意を込めて言う。


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