#489 ミーナミさん、その子、この検査台に寝かせてもらえるかな
#489
「ああ、いいとも、やってくれ」
アリスはハルトの同意を得ると、ミーナミに言う。
「ミーナミさん、その子、この検査台に寝かせてもらえるかな」
アリスは毛布を検査台に敷きながらミーナミに言う。
「はい、やります」
ミーナミはアリスに言われて、幼女をそっと検査台に寝かせる。
幼女はよほど疲れているのか、ぐっすりと寝ていて身じろぎもしない。
アリスはチョコの検査に使ったRAIスキャナを検査台のわきにセットすると、コンソールに向かう。
「それでは、幼女に対してRAIスキャンを実行します」
アリスがコンソールを操作すると、RAIスキャナは幼女の体の上を白い光を発しながら、頭のてっぺんからつま先まで、ゆっくりと移動し、検査を行う。
そして、帰りは青い光を発しながら、頭のてっぺんまで戻ってくる。
コンソールには、スキャンデータがずらりと表示される。アリスはその結果をわかりやすくするために可視化する作業に入っているようだ。
「ふんふん、なるほど、もしかして・・・」
アリスは独り言をぶつぶつつぶやきながら作業に没頭している。
「えーと、ミーナミさん、そこに寝てもらっていいかなあ」
アリスが幼女をRAIスキャンする間見守っていたミーナミに向いてお願いをする。
ミーナミは突然のアリスのお願いにとまどってしまい、返事ができないでいる。
「ねえ、アリスちゃん、ミーナミさんの検査がどうして必要なの?」
ルミナが不思議に思ってアリスに尋ねる。
「うーん、ちょっと気になる部分があってね、ここにいる全員の誰のデータとも照合合致しないからあとはミーナミさんだけかなっと」
「ミーシャさんやアミルさんのは?」
「ミーナミさんの検査でわからなければ、他の人もやるよ」
「アリスさん、いいですよ、痛くないようだし、やってください」
ミーナミはそういうと、大人用なのか大きめな検査台に上がるとあお向けになる。
「じゃあ、遠慮なく」
アリスはそういうと、ミーナミに合わせてRAIスキャナをセットするとコンソールに向かう。




