#487 2~3歳だろうか、女の子はすっぽんぽんの姿でちょこんと座っている
#487
ミーナミはそっとベッドを抜け出すと、シャワーを浴びてさっぱりする。昨夜からの汚れを落としてしまう。
シャワーから出ると身支度を整えてリビングへ出る。そこではノバがキッチンでカチャカチャと朝食の準備をしている音が聞こえる。
「ノバさん、おはようございます」
ミーナミの声に振り向いたノバの笑顔はとびっきりの宝だとミーナミは思う。
ノバとミーナミが幸せに浸っているその時、ウッドハウスに緊急連絡が入る。
「はい、ノバ、ああルミ姉?、おはようございます」
「艦長よりノバへ、緊急事態発生、ただちに旗艦ルミナスに戻って欲しいの」
「ルミナ艦長、了解」
「そうそう、そこに一緒にいるミーナミ船長も同行して欲しいんだけど」
「ルミナ艦長、ミーナミです、了解です」
ノバはミーナミの手を取ると、ウッドハウスの外に出る。そして停泊しておいたフェニックス3号にミーナミと飛び乗る。
「チョコ、待たせたね、旗艦ルミナスまでぶっ飛ばして」
「ノバ殿、承ったでござる」
ノバとチョコは短い会話を交わす。
「フェニックス3号、発進」
「チョコ、了解でござる」
ノバはフェニックス3号のスロットルをいきなり全開にすると、海上に向かって、ぶっ飛ばす。海上には激しい波が沸き起こるが、フェニックス3号はその波を切り裂いて突き進む。
旗艦ルミナスに到着したフェニックス3号は、左舷デッキに収納される。ノバはカウルを上げると、ミーナミの腰を抱いたまま、デッキに降りる。そして、ブリッジに向かって、駆け上がる。
ノバとミーナミが愛を交歓しているさなか、アリス工房に収納している高速飛行物体が光り輝き始める。
その光はやがて白く発光し、周囲を包み込む。光が収束したその中心に出現したのは、幼い女の子だ。2~3歳だろうか、女の子はすっぽんぽんの姿でちょこんと座っている。
目を丸くしたアリスはすぐに隊長ハルトと他のメンバーを招集し、自分もファーストコンタクトを試みる。
「こんにちは」




