#483 二人で見つめ合って、お互いにふふっと笑ってしまう
#483
「あの・・・さっきはすみません・・・」
「何がですか」
ノバがミーナミに聞く。
「さっき、ノバさんの手を握ったことです」
「それなら私もミーナミさんの手を引っ張ったのだからお互い様ですね」
ノバは小島の浜辺にあるウッドハウスの近くにフェニックス3号を停泊する。
つい先日、みんなでBBQを楽しんだエリアは、今日はノバとミーナミ二人しかいないので、とっても静かだ。
「ミーナミさん、なんだか申し訳ないですね」
「いえ、とんでもありません、ノバさんと二人なんて夢のようです」
二人はウッドハウスの前の砂浜に降り立つ。
「ミーナミさん、私はちょっと飲み物をとってきますね」
ノバはフェニックス3号から離れると、ウッドハウスに向かう。
ミーナミはそんなノバの後姿を目で追ってしまう。すると突然、ノバが振り返る。
「ミーナミさん、何見てるんですか」
とちょっと頬を膨らませる。
そんなノバがたまらなくかわいいと思うミーナミは
「いえ、なんにも・・・」
と首を振る。
「私、軽食を準備してきますね」
そういうとまたもやノバは小走りでウッドハウスに向かう。
ミーナミはそんなノバを見送りながら、一人にやけてしまう。
「お待たせ」
ノバは二人分のサンドイッチ持って、ミーナミに近寄る。そしてちょっと背伸びして、
「はい」
といってお皿を手渡す。
ミーナミはお礼を言いながら受け取り、一口食べる。
その様子を見てから、ノバも一口食べる。二人で見つめ合って、お互いにふふっと笑ってしまう。
「ねえ、ミーナミさん、今日はこれからどうしましょうか」




