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#476 よし、高速飛行物体の下に回って、マンディ号で支えよう

#476


「ミーシャ、最大船速で追跡だ」

「ミーシャより、ミーナミ、任せておけ」


「アミルより、エンジン出力最大、追尾開始」

 宇宙船マンディ号は、惑星ルクレアに吸い込まれるように最大加速を行う。


 やがて機関を持たない高速飛行物体に追いつく。ここまで接近すると、マンディ号でもレスキュー信号を受信することができる。


「タスケテ、タスケテ、コワイヨ」

 高速飛行物体はそう叫びながら、惑星ルクレア大気圏に突入する。


 飛行物体の周囲は大気との摩擦で温度が上昇し、赤くなってきている。


「おい、ミーナミ、このままじゃ高速飛行物体は地表に着く前に燃え尽きちゃうぞ」

 アミルが表面温度から計算した結果をミーナミに伝える。


「よし、高速飛行物体の下に回って、マンディ号で支えよう」

 ミーナミはそういうと、マンディ号のバーニヤを吹かして、角度を変える。


 そしてそのまま高速飛行物体の下に回り込むことに成功する。


「よし、ミーシャ、そのまま上昇・・・」


 がこん。


 マンディ号が高速飛行物体にあたって、鈍い音を発生する。宇宙船表面はへこんだか、へたをすると破損したであろう。


「よし、少し、落下速度が落ちたぞ」


「だけど、高速飛行物体の重量が思ったよりも重くて、なかなか速度が落ちないぞ」

 アミルが冷静に判断する。高速飛行物体の表面は赤からオレンジ色に変わっている。


「これはやばいかな」

 その時である。


「ミーナミさん、遅くなってごめんなさい」

 マンディ号のわきに滑り込んできたのはノバが操縦するフェニックス3号だ。


「ノバさん、見ての通り、高速飛行物体が燃え始めています、レスキュー信号はまだ出ていますが、燃えだすのは時間の問題かと」


「ミーナミさん、レスキューメカを使いましょう」

 ノバはそういうと、アリスが準備したレスキューメカをフェニックス3号のトランクから放出する。


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