#473 ルミ姉、ごめん、しくった
#473
「わーかったよ、で、どうするんだ、船長さんよ?」
アミルがにやにやしながらミーナミに問いかける。サーシャも横でうなずいてくれる。
「みんなありがとう、宇宙船マンディ号は、全速力で高速飛行物体を追跡し、体当たりをもって、進行方向を変える、以上」
「ひゅー、ミーナミにしてはエキサイトな指令だな、よし、気に入ったぞ」
サーシャはそういうと、自らパイロット席に飛び乗って、すぐに操縦を開始する。
「エンジン制御は俺に任せろ、最高の出力を捧げるぜ」
アミルもミーナミの熱意に押されて、ノリノリだ。
宇宙船マンディ号は3人の決意により、惑星ルクレア地表に向かって、ダイブともいえる航行を開始する。
練習船といえどもフルパワーを出せば、マンディ号はけっこうな速度を維持することができる。
「前方に高速飛行物体を発見、コース変わらず、このままだと旗艦ルミナスに向かって、突っ込みます」
「ティアナよりノバ、高速飛行物体が旗艦ルミナスにコースを変えたよ」
「ノバより、ティアナ、そっちからなんとかできる?」
「だめだ、間に合わない、くっそー、急にコースを変えやがって」
「ノバからはどう?」
「ルミ姉、ごめん、しくった」
その時、宇宙船マンディ号ミーナミは、気持ちよく決断する。
「そうはさせるものか、突撃ヨーイ、総員対ショック体制とれ」
「了解!」
ミーナミの命令で、宇宙船マンディ号は高速飛行物体に船首を向けて、一直線に突っ込んでいく。
「衝撃、くるぞー」
ミーナミの号令に、3人はそれぞれシートに体を固定して衝撃に備える。
「よし、行くぞー!!」
ミーナミはそう叫ぶと宇宙船マンディ号を高速飛行物体に向かって突っ込んでいく。
「うぉー」
3人の叫び声とともに、高速飛行物体に船首をめり込ませる。




