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#467 おい、ミーナミ、モニタに面白いもんが写っているぞ

#467


「この星の地表は、砂漠か、小さな海か、はたまた島状の緑に覆われた陸地の繰り返しのようだな」

 モニタを監視しているミーナミがみんなに聞こえるように言う。


「そりゃそうだろ、ちょっと前までは完全に砂漠化していて、死の惑星なんて別名があったくらいなんだから」

サーシャは事前に調べた情報を改めてみている。


「そんな惑星がどんな経緯でここまで緑と水が増加したのか、ぜひ知りたいもんだね」

 アミルはエンジニア志望らしく、原因追及が基本的に好きな男だ。


「そうだな、次の機会にはこの惑星にぜひ上陸して、詳細な調査を・・・」

 ミーナミがそうみんなに話しかけた時、ミーシャが素っ頓狂な声を上げる。


「おい、ミーナミ、モニタに面白いもんが写っているぞ」

「おっ、どれどれそれはなんだ?」

 モニタに映し出されているのは、大型宇宙船である。


「おい、その宇宙船って・・」

「うん、あれはスペースレスキュー隊フェニックス旗艦ルミナス、だよ、間違いない」


 ミーナミは興奮しながら叫ぶ。そうなんせ旗艦ルミナスにはあのノバさんが乗船しているのだ。


「おい、ミーナミ、落ち着けよ」

「これが落ち着いていられるかよ」


「じゃあ、着陸してノバさんに会いに行くのかよ」

「うっ、そうしたいのはやまやまだけど、宇宙船マンディ号は着陸できても、戻ってこれないから」


 ミーシャは興奮しながらも船長らしくちゃんと状況を理解しているミーナミにほっとしている。

宇宙船マンディ号は、惑星ルクレアの大気圏に突入しても耐熱外殻構造を持っているので、大気との摩擦で燃えてしまうことはない。


 これは学生実習用宇宙船として、間違って大気圏突入した場合でも、学生の安全を確保するために多くの実習用宇宙船に標準装備されている。加えて、冷却装置も装備していることが普通である。


 ただし、大気圏に突入し、燃え尽きることなく地表に達することができたとしても、重力を振り切って地表を脱出するできるほどのエンジンを実習用宇宙船が装備していることはまれである。


 そのために、宇宙空間に戻るためには大学に始末書を提出し、多額の費用をかけて迎えに来てもらうはめになる。



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