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#462 アミルより、未確認物体から高エネルギー反応感知・・・高速回転中・・・

#462


 ただし、大気圏に突入し、燃え尽きることなく地表に達することができたとしても、重力を振り切って地表を脱出するできるほどのエンジンを実習用宇宙船が装備していることはまれである。


 そのために、宇宙空間に戻るためには大学に始末書を提出し、多額の費用をかけて迎えに来てもらうはめになる。


「さて、ミーナミ船長?」

「なんだ、サーシャ航海長」


「船長の気持ちは十分すぎるほどわかりますが、予定を大幅にオーバーして3周回目も終わりますよ?」


「わかっているよ、ノバさんに笑われたくはないからな」

「ミーナミ船長、賢明なお返事です」


「よし、惑星ルクレア衛星軌道周回及び地表撮影ミッションはこれで完了とし、宇宙船マンディ号は帰途につくものとする」

「ミーシャ了解」

「アミル了解」


 宇宙船マンディ号はミーナミの名残惜しい気持ちを惑星ルクレア表面にまき散らしながら、衛星軌道離脱に向けて準備する。


「ミーシャ航海長、衛星軌道離脱のタイミングはいつがいいかな?」

「帰路のことを考えると、あと5f後に離脱を開始が最適だよ」


「アミルはどうだ?」

「アミルより、ああ、それでOKだ、エンジンはそのタイミングに合わせて、作動させるよ」


「ミーナミよりあと1fで離脱タイミング、総員離脱準備・・」

「ミーナミ船長、離脱前最終確認、進路前方クリア確認・・・えっ、進路前方に反応あり」


「サーシャ、どういうことだ?アミル、全方位レーダー出力最大、反応物を特定できないか?」

「アミルより、もうちょっと待って、はいはいはい、確認範囲に入ってくるよ?」


「ミーナミより、おっ、あれか・・・なんだあれは?」

 宇宙船マンディ号のモニタに映し出されているのは、ぐるぐると回転しながら、惑星ルクレアに向かって、高速で移動する未確認物体である。


「アミルより、未確認物体から高エネルギー反応感知・・・高速回転中・・・周囲にH2O反応あり」

「ミーナミより、水をまき散らしながら高速回転する飛行物体って、なに?」


「サーシャより、これは・・・マンディ号、緊急回避!」

「ミーナミ了解、緊急回避!」



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