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#460 ミーナミ船長さんはレスキュー隊ノバさんに確か一目ぼれだったよねえ?

#460


「そうだよ、そのサンディ号の操船で、スペースレスキュー隊フェニックスに助けられたばっかりだということは絶対忘れちゃだめだからな」


「はは、ミーナミ船長さんはレスキュー隊ノバさんに確か一目ぼれだったよねえ?」

「おい、サーシャ、ノバさんの名前を軽々しく口にするんじゃないぞ」


「おおー、こわい、こわい」

 宇宙練習船マンディ号はスペーストレーニング用として宇宙大学が保有している小型船だ。


 最大乗組員数は10名、全長30m、小型プラズマエンジンを装備しているが、インターワープは通過できない。学生用なので、もちろん武装はない。


 宇宙大学所定の課程を履修習得した学生が卒業課題の一つとして、挑戦する宇宙船操船実習に使用されているのがマンディ号だ。チキュウの感覚に置き換えれば、エンジン付きヨットが一番近いイメージだろう。


「サーシャ、ミーナミ船長のノバさんへの愛をからかうもんじゃない」

 アミルがサーシャを真顔になってたしなめる。


「ごめんごめん、そんなつもりはなかったんだけどなあ」

 そんな2人のやり取りを聞いて、ミーナミは顔を真っ赤にする。


「もうー、みんなやめてくれよ」

 そうこうしているうちに宇宙船マンディ号は惑星ルクレア衛星軌道に進入し、周回に入る。


「よし、じゃあ、ミッションである惑星ルクレア周回撮影を行うよ、アミル、準備はいいか」

「アミル、いつでもいいよ」


「よし、カメラアーム船外へ伸ばして」

「アミル了解、カメラアーム右船外へ突出、撮影開始します」


 アミルは船内のモニタにカメラ画像が映し出されていることを確認すると、録画を開始する。この画像とナビゲーションの記録がミッション達成時の証拠になる。


「惑星ルクレアってきれいな星だねえ」

 ミーナミはモニタを見ながら、誰にともなくつぶやく。


「でも、ルクレアって重力が強くて、一度地上に引き込まれると空に戻るのは至難の業となってるからな」

アミルが現実的なことを言う。


「まあ、だから今でも自然がしっかり残った楽園と言われてるんだけどね」

 惑星ルクレアはちょっと前まで、砂漠がほとんどを占める生活には適さない惑星であったことはあまり知られていない。



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