#その46 【挿絵ノバ普段着】船長、ちょっと頭をなぜるのはやめてくれないかなあ、それってセクハラだよ
#その46
「そりゃ、悪いけど、このままここでひねりつぶしてスクラップにするよ。ノバはすでにこの宇宙船ルミナの性能諸元についてかなりの情報を入手しただろうから、リセットだけじゃ済ませないからな」
「船長、どうします?、ご決断を。」
ルミナはハルトをちらりと見て、決断を迫る。ハルトはあらかじめ決めていた答えをノバに提示する。
「なあ、ノバ、この宇宙船ルミナの航法RAIに就任しないか。」
「え・・・と、ハルト船長さん、こんな私を信頼してくれるってこと?」
ノバはこの場でつぶされてスクラップにされると覚悟を決めていたようだ。もし、ハルトがスクラップを言い渡せばその瞬間にRAIルミナと対決し、可能な限り道ずれにするつもりだった。
「ああ、もちろん信頼するよ。だいたいノバはもうすでにルミナの信頼を得てここに入れてもらっているじゃないか。」
ハルトはノバにそういうとルミナの方を見て目で合図する。その目はこう言っている。
「ノバはもう一人じゃない、これからはこの宇宙船ルミナの仲間がいるよ」
と・・・そしてそれはルミナにも言えることだ。
「船長、わかりました。」
ルミナもそれを理解し、うなずく。そしてノバに言う。
「ノバ、あなたはもう以前のあなたじゃないのよ。生まれ変わってこの宇宙船ルミナの航法担当RAIとしてしっかり働いてもらうから覚悟してね。」
「わかったわ、ルミナ姉さま」
ノバはそういうと3Dルミナに抱きつく。
「じゃあ、これからよろしくな。ノバ。」
ハルトもそういいながらノバの頭を撫でる。
「船長、ちょっと頭をなぜるのはやめてくれないかなあ、それってセクハラだよ」
ノバは口をとがらせてハルトに文句を言うが、その目は穏やかに笑っている。
「まったく、ノバはセクハラなんて言葉をどこで覚えたんだよ」
こうして、宇宙船ルミナはインターワープ航法ユニットを最強(最恐?)のRAIで装備する。
あとでルミナが教えてくれたが、ノバはもしかするとインターワープ航法ユニットのオリジナルではないかというのだ。インターワープテクノロジそのものは厳重秘匿されているが、もともと原理がわからないロストテクノロジだとルミナは考えている。
そしてその作動キーである航法ユニットもオリジナルをコピーしているだけで、内容は不明だと思うと。