#450 最近は妙に連帯するときもあって、ハルト隊長もたじたじだなあ
#450
旗艦ルミナスはティアナたちがいる海岸から5kほど離れた場所に静かに着水する。巨体なので、着水と同時に小さな津波が発生し、ここまで波が押し寄せてくる。
「ハルトより、着いたぞー、フェニックス3号でそっちに行くよー」
ハルト、ルミナ、ノバの3人は待ちきれないようにフェニックス3号に飛び乗り、右舷デッキをオープンして、飛び出す。操縦はもちろんノバだ。
「おーい、みんなー」
ルミナはそういうとフェニックス3号から飛び降りる。そしてそのままティアナに抱きつく。
「もう、ルミナ姉ったらあ、危ないよお」
ティアナはそういいながらも嬉しそうにしている。
「へへーん」
ルミナはティアナをぎゅっと抱きしめたままだ。その横でアリスがあきれている。
「ねえ、ノバ、あの2人っていつもあんな感じなの?」
「最初は敵対しあっていたけど、最近は妙に連帯するときもあって、ハルト隊長もたじたじだなあ」
ノバもあきれている。そんな2人を見てアリスは腕を組んで思案顔のままだ。
「アリスちゃんー、なに考えてるの?」
リリアが不思議そうに尋ねる。
「うーん、あの2人の関係って何かに似ている気がするんだよねえ」
アリスはそういいながらもまだ考え込んでいるようだ。
「まあ、いいや、とりあえず上陸しよー」
ノバはそういうと砂浜を駆け出す。
「あ、ノバちゃん、ずるいー」
アリスもそういって駆け出していく。
リリアとカノンも遅れまじとついていく。やがてみんなが砂浜に集合すると、ハルトは全員を見渡す。
「さてみんな、無事に集合できたね」
「はーい」
「じゃあ、部屋割りを発表するよ」
ルミナはそういうと、アリスが製造してくれたウッドハウスの割り当てを説明する。
「この一番でかいのがハルト隊長の部屋です。入る時はちゃんとノックしてください」
「ほーい」
みんな守りつもりはないらしい。




