#444 こちらティアナ殿とチョコでござる、無事地表に着いたでござるよ
#444
「チョコ了解、フェニックス2号、リリア殿、聞こえるでござるか」
フェニックス2号は旗艦ルミナスを発進して、ちょうど惑星ルクレア衛星軌道を通過したころである。
「こちらフェニックス2号、聞こえるよ」
「こちらティアナ殿とチョコでござる、無事地表に着いたでござるよ」
「ああ、無事に到着したのね」
リリアがそういって答える。
「リリア殿、ここはなかなかいい場所なので、ここの座標を送るでござる」
チョコはそういうと、端末を操作して、現在地の座標をフェニックス2号に送る。
「チョコ、ありがとう、そっちに向かうね」
フェニックス2号はこちらに向かってくるようだ。
「さて、一仕事するかあ」
ティアナはそういうと2号が到着前に、簡単な目印を作ろうと、チョコに提案する。
「さすがティアナ殿、すぐやるでござる」
「よし、話は決まった」
ティアナは、島の中央部に向かうと、手ごろな木を数本切り倒して、海岸に向かうことを何度か繰り返す。そして運んだ木を砂浜に並べると、小型レーザを使って、接合する。
ティアナは短時間でこの作業を繰り返すことで、砂浜にフェニックス2号が接岸できる小型の桟橋を準備する。
「フェニックス2号より1号ティアチョコ、聞こえますか」
「リリア殿、聞こえるでござる」
「おっ、いいものできてるね」
リリアが完成したばかりの仮桟橋に目を付けてほめてくれる。
「リリア殿、この桟橋にフェニックス2号を接岸してくだされ」
「フェニックス2号了解」
リリアは、フェニックス2号を一旦衛星軌道に載せる。そして衛星軌道を半周し、チョコからの誘導信号を受信する。
「よし、誘導信号受信、照合完了」
「チョコちゃん、誘導信号受信したよ、これからそっちに向かって降下するね」
「リリア殿、了解」




