#434 おもふに、あまつかみ くにつかみのおおまえにかしこみかしこみももうさく、きょうのよきひに
#434
3人は首を垂れて神神棚の前に進む。神棚の前にはこれまた真っ白な裃の装いの神主さんらしき人がいる。
神主さんはフェニックス隊クルーの誰がやっているんだろうか、アリスあたりかななどとハルトは予想していると、神主さんが発声する。
「新郎ハルト殿、右新婦ルミナ殿、、左新婦ティアナ殿、これより結婚の義を執り行います。3人ともお顔をお上げください」
新郎新婦3人は揃って、ゆっくりと顔を上げる。目の前でにっこりしているのは、女神ソフィア様だ。
「そこの巫女さん、こっちで介添えをお願いしますね」
「カノンです、お手伝いします、よろしくお願いいたします」
指名された巫女姿のカノンはうれしそうに女神ソフィアの手伝いを承諾する。
仮にも異世界の神様であるソフィア様が二ホンの神様の役割を果たしてもいいのだろうかとハルトが思っていると、ソフィアがそれを見透かしたようにハルトに口を寄せてくる。
「ニホンの神もセイヨウの神もたまたま降臨した場所が違うだけで、元は同じなのよ?」
ハルトにささやいてくれるので、きっと問題はないのだろう。
#ソフィア様は祝詞を上げる
ソフィア様は、3人の前に立ち、神棚に向かって祝詞を上げる。
「おもふに、あまつかみ くにつかみのおおまえにかしこみかしこみももうさく、きょうのよきひに、新郎ハルトと右新婦ルミナ、左新婦ティアナは、かみがみのおんまえににちかいいをたて、めおとのちぎりをむすばんととす。ふたりがいまよりのちくらくをともにし、たすけけやわらぎ、しそんはんえいし、ながくむつびさかむことをいのりりまつらくともす。かみがみのおおまえにかしこかしみももうす」
「ほおー」
女神ソフィア様って西洋の神様っぽいのに、祝詞を奏上することもできるんだと周囲の参列者から感嘆の吐息がもれる。女神ソフィア様(神主)は続ける。
「それでは、これより三々九度の義を執り行います」
ソフィア様がそう言うと、カノンが三方に杯を乗せてうやうやしく現れる。
続いて、若侍姿のチョコがお神酒を入れた長柄銚子を持って付き従う。カノンはまずハルトに杯を持たせると、銚子からお神酒を注ぐ。
ハルトはうやうやしく杯を受け取ると、三回に分けてお神酒を飲む。次にルミナが同じようにお神酒を頂く。さらにティアナが同じようにお神酒を頂戴する。
このようにして三々九度の夫婦の誓いの儀式が終わる。




