#その43 わかったよ、あんたたちについていく
#その43
「ずいぶん前にその言葉を聞いたことがあるけど、どうして私がRAI実在人工知能だって思うの?」
RAIらしき女の子はそういうと、ルミナを睨む。そして何かを諦めたようにこうつぶやく。
「やっぱりここは目をつけられているわ、もうだめね」
そう女の子が言うと、いきなり艦内に警告アラームが鳴り響く。
「ハルト船長、攻撃です!」
「どういうことだ?」
「わかりませんが、これは相手の主砲攻撃で間違いないでしょう。」
すぐにハルトたちのいるブリッジに衝撃が走る。
相手艦の主砲が命中したようだ。このままこの船にいては危ない。宇宙船ルミナも巻き添えを食ってしまう。
「あなた、追われているのね。それでこの船に逃げ込んだってとこかしら?」
「そうだけど、それのどこが悪いの?」
「私もRAIなんだよ。悪いようにしないから、一緒に来ない?」
ルミナの誘いに女の子は高速に判断を行っているらしい。はた目にはルミナとにらみ合っているようにしか見えないが、ルミナは何か情報を与えて流して説得しているようだ。
#ノバ救出
「わかったよ、あんたたちについていく」
女の子は立ち上がり、腕組のまま偉そうに答える。
「・・・だそうです、船長」
ハルトは女の子の様子にあきれながらも判断する。
「ルミナ、わかった、その子を連れてここから急速離脱する。その子は念のため、情報を遮断するセキュリティボックスに入ってもらえ」
「船長、了解。」
ルミナはそういうと、自分の両手を前方に差し出す。
「さあ、ここに乗って頂戴ね」
ルミナがそういうと、女の子は素直にルミナの手の上に乗ると同時にルミナの手のひらサイズまでさらに小さくなる。やはりRAIだったらしい。女の子はこれでルミナの監督下に入ったのであろう。
「ルミナ、この宙域から離脱するぞ」
「ルミナ了解」