#429 うわおー、これはすごい、黒ネコが若侍に変身しちゃったよ
#429
「そうでござるか・・・」
チョコはそう言うと、前足をそっと前に出して座る。
「じゃあ、今度はチョコちゃん、行くよー、どうなるかなあ」
アリスはそういうと、輪っかをチョコを包むように床に置く。
「さあさあさあ・・・」
アリスはそういいながら、輪っかをチョコの上までくぐらせる。今度は橙色の光が輪っかから発光する。
「むむむ・・・これは、これは・・・」
アリスはうなりながら、布付き輪っかをどんどん上げていく。輪っかの高さがアリスの肩ほどになった時、その動きを止める。
「これは・・・、チョコちゃん、神器使いとして覚醒したよ」
「え?、拙者が?」
「そう、空間歪を消滅させたことで、チョコちゃんの能力が飛躍的にアップしたんだ」
アリスはそういうと、輪っかをチョコの足元に下げる、うん、足元?、そこには薄いピンクの前合わせに、紺色の袴を着用し、つやつや黒髪をポニーテールに結い上げた男装の若侍が現れる。
腰にはお気に入りの刀である小春がちゃんと収まっている。チョコは以前にもよく似た格好に変化したことがあるが、その時は何分身長が半分ほどだったので、お人形さんのようだったのだ。今回は本当に凛々しい姿なのだ。
チョコ若侍
「うわおー、これはすごい、黒ネコが若侍に変身しちゃったよ」
アリスはそういうとチョコの前に鏡を置く。
「これが拙者でござるか?」
「おおー」
旗艦ルミナスのクルー全員がどよめく。そして、再び万雷の拍手だ。
「さっ、みんな、これが本来のチョコちゃんのようだよ、凛々しいねえ」
「ノバ姉、チョコちゃん、どう?」
ノバはアリスに言われてはっと我に返る。
「チョコちゃん、素敵だよー、可愛いよー、凛々しいよー」




