#427 神の巫女になったと言ってもいいんじゃないかなあ
#427
後に惑星エリシア付近で空間歪を発見し、神器{空間歪イレーザ}で内部を拡張し、インターワープ4を新たに建設する話はまたの機会とする。
スペースレスキュー隊フェニックスの面々はこの惑星ルクレアまでピクニックに来ているはずなので、続きをちょっと覗いてみたい。
「ハルト隊長、惑星ルクレアまでのナビゲーション復活したでござる」
チョコは航法ユニットとして旗艦ルミナスを惑星ルクレアまでナビゲートしようとしたが、空間歪に邪魔されて、できないでいた。それが空間歪を消滅させたことにより、復活に成功したのである。
「ハルトよりチョコ、空間歪の除去、お疲れ様、せっかくのピクニックなのに大仕事になって悪かったね」
「ハルト隊長殿、とてもいい経験を積ませて頂き、チョコは幸せでござる」
空間歪の除去はいい仕事どころか、宇宙連邦が100年単位で取り組んでも果たして成功するかどうかという世紀の活動なのである。
「いや、チョコはもう立派な航法ユニットだよ」
「ハルト隊長殿に褒められるととてもうれしいでござる」
チョコはそういうと、前足で顔をつるんと撫でる。
「カノンちゃん、大活躍だったね、お疲れ様」
ハルトはそう言って、カノンをほめて慰労する。
「私なんてまだまだです、チョコちゃんのコントロール通りに動いただけです」
カノンはそういって目をふせる。
「とんでもない、そんなことないよ、空間歪を消滅させるという前代未聞の作戦でカノンちゃんは見事に役目を果たしたんだよ」
「ハルト隊長さん・・・」
カノンは頬を赤らめる。
「それになんといってもこの作戦では、カノンちゃんは見事に神器{空間歪イレーザ}を使いこなしたんだから、神の巫女になったと言ってもいいんじゃないかなあ」
「ハルト隊長、それはちょっとほめすぎですよ」
「そうかなあ」
ハルトはにやにやしながら、アリスに目配せする。