#426 アリスより、空間歪消滅を確認
#426
きゅいーーーん、しゅゴーン・・・
「どわあー」
ティアロイドが操縦するエネルギーパイプはすさまじい反動で再びドラゴンダンスを披露し、ティアロイドがパイプを必死に制御する。
神器{空間歪イレーザ}から照射された歪除去高エネルギーは、小型ブラックホールに吸い込まれ、内部で反重力反応を起こして、いわゆる爆縮する。
その結果、ブラックホールは限りなく小さくなり、宇宙の内部では消滅と同じ結果をもたらす。やがて、周囲には真の静寂が訪れる。
ぴっ、ぴっ・・・
「アリスより、空間歪消滅を確認」
「チョコカノより、やったよー、大成功でござる」
「ハルトより、みんなすごいよ」
「さあ、次がまだ来るよ」
ルミナは冷静に周囲の状況を分析して、次の指示を出す。
「ルミナよりアリスへ、次の歪のデータを送って」
「アリス了解、次は、これいきましょう」
アリスは再びターゲットデータを全員に転送する。
リリアが、ターゲットにフェニックス2号を向かわせ、旗艦ルミナスからノバがプラズマエネルギーをフェニックス2号の送出する。
ティアロイドがエネルギーパイプのドラゴンダンスを抑え込む。受け取ったプラズマエネルギーはノバチョコが神器{空間歪イレーザ}より照射して空間歪であるブラックホールを爆縮消滅させるという手順をこの宇宙世界で初めて確立する。
フェニックス隊の誰か一人が欠けていても成立しなかったこの作戦はきっと未来永劫語り継がれることになるであろう。
「ねえねえ、我忘れられてないかなあ、神器{空間歪イレーザ}を設計したの我なんだけどなあ」
女神ソフィア様は星の陰から作戦の様子を眺めてぶつくさいっているが、作戦の成功には満足しているようだ。
「ねえ、我も手伝ったって自慢してもいいよね」
女神ソフィア様が誰にともなく問う。
もちろん誰も聞いていないのではあるが・・・。




