#417 そのためにこの女神ソフィアは神具{歪イレーザー}を設計したんです
#417
ハルトと女神ソフィアの話が一段落したと感じたのか、ルミナが会話に加わる。
「ソフィア様ルミナです、その空間歪ってそんなにヤバいんですか?」
「ええ、これは本当に危険です」
「でも女神様、見つけたとして、どうやって歪をふさぐんですかねえ」
ハルトはソフィアを挑発するように尋ねる。
「あらハルトさん、そのためにこの女神ソフィアは神具{歪イレーザー}を設計したんですよ」
「ほほー、それは素晴らしいって、設計ですか?」
「そうよ、まだモノはないの」
「なんだ、じゃあ歪は消せないじゃないですか」
「おっと、でもそこにはものづくりの専門家アリスちゃんがいるでしょう?」
「えっ、私、ですか?」
いきなりソフィアから指名されてアリスは驚く。
「アリスさん、女神ソフィアです、初めまして、かな?」
ソフィアはアリスの前に顕現して、すくっと立つ。さすがに女神だけあって、立っているだけでもオーラが立ち上り神々しい、気がする。
「女神ソフィア様、お初にお目にかかります、アリスといいます、フェニックス隊ものづくり担当です」
アリスは緊張でぎくしゃくしながら口上を述べる。
「アリスさん、私のことはソフィアでいいのよ、そんなに緊張しないで、気楽に、ね」
「ソフィア様、実在RAIの私にとってはソフィア様のご尊顔を垣間見るだけでも恐れ多いことなのです」
惑星アルメリアに閉じ込められていたアリスとソフィア様の間になにかがあったのであろう、なかなか顔を上げることもできない。
「ねえ、アリスさん、さっきハルトさんに言ったとおり、あなたに神具{歪イレーザー}の設計図を渡すから、さくっと作ってこの空間の歪を消してね」
「女神ソフィア様、私なんかが神具の製作に携われるなど恐れ多いことです」
アリスは恐縮して答える。
「あら?そうなの?、でもあなたならできるでしょう?」
「ソフィア様から実力を見込まれるとは大変光栄です・・・自信はありませんが、精一杯やらせていただきます」
「大丈夫!アリスは私が見込んだんだから!」
「・・・わかりました、やってみます」