#416 この惑星ルクレアで空間の歪みが発生しているみたいなんだけど
#416
「ハルトさん、仕方ないのよ、神界にはスマホって便利なものがないんですからね」
「はあ、そうですか」
ハルトはソフィアの言いようにあきれてため息をつく。
「それで、今日はピクニックを邪魔しにきただけですか?」
「あら、ハルトさん、そんなわけないでしょう、ちょっとお願いがあってきたのよ」
「お願い?何ですか?」
「実はね、この惑星ルクレアで空間の歪みが発生しているみたいなんだけど」
「はい、今その調査をしているところですが」
「そう、それよ!それをフェニックス隊に何とかしてもらえればなって思って」
「何とかって・・・ソフィア様、それは無理ですよ」
「あら、ハルトさんならできるでしょう?」
「そんな無茶を言わないでくださいよ」
「だって、ハルトさんはこの私女神ソフィアの眷属じゃないですか!」
「はあ?何言ってるんですか、俺はただの人間ですよ、神様じゃありませんから!」
ハルトは女神ソフィアの言いように呆れて答える。
「でも、その体の中に私女神の力を(少しは)受け継いでるんですよ」
「・・・・・」
「その力で、実在RAIのみなさんと過ごすことができているのですよ」
「・・・・確かにそうかもしれませんが・・・」
ハルトは女神ソフィアの無理強いに、どう答えていいか途方に暮れる。
「だからハルトさんたちに調べてもらえないかなあって」
「ソフィア様、それって調べたら解決して欲しいって言う予定ですよね」
「あら、ばれちゃった?」
女神ソフィアはてへぺろする。その仕草は可愛いのだが・・・
「嫌ですよ、そんな面倒なこと」
「でも、空間の歪みを放置しておくと、近い将来的にはルミナス級の宇宙船が行方不明になるかもしれませんよ」
「え?そんな大ごとなの?」
ハルトも少し焦って尋ねる。
「それはそうですよ、空間歪に飲み込まれたら最後、どっか行っちゃいますからね」