#403 ハルト自身が薄い本の表紙になっていたら嫌だからな
#403
女神様の思し召しなら日本文化のもっと神髄を知らしめるアイテムでもいいような気もするが‥。まあそこは気にしないでおこう。
女神ソフィア様の怒りに触れると次にここを訪れた時にハルト自身が薄い本の表紙になっていたら嫌だからな。
それにしてもこの世界の住人にも薄い本や百合本が受け入れられるとは、やっぱり女神様のお陰なのかなあとハルトは勝手に解釈するのである。
もっともそのほうが異世界でもこういった文化が堂々と流行するし、世界も平和になるので好都合なのであろう。
「じゃあ、次、行こうか」
ハルトとルミナが次のお店を考えていると、ちょうどチョコとノバが武器屋を出たところだ。
「あれ?もう出たんだ」
「はいでござる、拙者はこの日本刀が欲しかったのでござる。」
チョコはそういうと腰に差している日本刀を軽くポンと叩く。その日本刀は刃渡り20cほどの刀である。黒ネコチョコの腰に見事に収まり、けっこう様になっている。
「へえ、そんなにいい刀なんだ」
チョコはそういうと、腰から刀をすらりと抜いてハルトに見せてくれる。
ハルトは刀の目利きなどできないが、その美しい刀身からは何か感じるモノがあるように思える。
「はい、拙者一目見て、この刀に一目ぼれでござる。ノバ殿におねだりして購入して頂いたでござるよ」
「へえ、ノバが買ってくれたんだ」
「はい、ノバ殿が拙者のために選んでくれたでござるよ」
チョコはそういうと嬉しそうに刀を鞘にしまい、再び腰に差す。どういう仕組みかはわからないが、刀はすっとチョコと一体化して、見えなくなる。
「じゃあ、次はどこに行こうか?」
ハルトはみんなを見渡して尋ねる。
「じゃあ、私は一度服屋さんに行ってみたいです」
カノンが小さな声で控えめに言う。
#ブティックに行こう
「じゃあ、ブティックに行こう」
「はい!」




