#400 ミーナミの目標は{自分もスペースレスキュー隊フェニックスの一員になる}に変わる
#400
ルミナはそういうとノバの頭を優しく撫でる。そしてそのまま手を滑らせると今度はほっぺをぷにぷにする。
「ルミ姉、もう、やめてよお」
ノバは優秀なRAIであり、航法ユニットであるのだが、年ごろの女の子としてはいささか感情が足りない部分があるのでは、とルミナ(とハルト)は危惧している。
そこにミーナミという好青年が現れたので、ノバが少しでも好きという感情を持ってくれるといいなあと見守っていた。
そうしたら思ったよりもノバとミーナミはいい感じになったので、ルミナは嬉しくい思う。ルミナはノバにもリリアやカノン、アリスやチョコにも人を好きなるという感情がどんなに素晴らしいものなのかを感じて欲しいと常に思うのだ。
一方のミーナミはノバにさわやかに去られてしまったが、なんとか次につなげることができそうな感触を得ることができた。
ノバの暖かな手の感触が今でも自分の手の中に残っている。
だが、ノバがあのスペースレスキュー隊フェニックスの一員であることがわかったあの時から、ミーナミの目標は{自分もスペースレスキュー隊フェニックスの一員になる}に変わった。
ノバが軽々と乗りこなすあのスペースバイク一つとってもフェニックス隊の一員となるのは高度な知識と技術、それに見合った訓練とそして覚悟が必要なことだけはわかる。
さらにミーナミは実際にレスキューされた体験があるので、宇宙についてのあらゆる知識を身に着けることも大事だとこの時本気で自覚する。
「ノバさん、待っていてくださいね」
とてつもない大きな目標を見つけたミーナミはそう星に誓うのであった。
あっ、リリアとサーシャ、カノンとアミルがどうなったかというと・・。
ワープドラゴンで二人とも失神してしまい、リリアとカノンがあきれて出口ゲートに置き去りにしたらしい。リリアとカノンはそれなりに楽しかったらしいので、次の機会があるといいな、とハルトは隊長として強く願っておく。
フェニックス3号に乗ったノバチョコと、リリア、カノンもワープドラゴンレスキューを報告するために一旦旗艦ルミナスに戻ると、すでにルミナ艦長とハルト隊長も、そしてティアナも戻ったところである。
「なんで、あのいいところで、あんなことが起きるんだよ」
ティアナはぷんすこ怒りながらルミナに八つ当たりしているようだ。




