#397 ルミ姉に{すぐ行け、今行け、さっさと行け」と発破かけられた
#397
「それでね、ハルト隊長と偶然隣にいたルミ姉に{すぐ行け、今行け、さっさと行け」と発破かけられたから即出発したよ」
ティアナはそういいながら、外壁にとりつくと、「フンス!」と掛け声一発、ゴンドラをたたいて回転を止めてしまう。
「よし、ノバ姉、ゴンドラを確保して」
「ノバ了解」
そういうとノバはフェニックス3号からけん引ワイヤーを射出してゴンドラに引っ掛ける。そしてそのままゴンドラをギャラクシーホイールの搭乗口まで運んでいく。
「さあ、着きましたよ、もう大丈夫ですから」
搭乗口に到着したノバは、そう告げると、二人をプラットフォームに降ろす。またもゴンドラの外壁にとりつき今度はスカイエレベータ乗り場まで戻っていく。
「ルミ姉、ノバだよ、ゴンドラを無事救出しました」
「ノバ、よくやったわ、これからそちらにいくからね。あと1分で着くよ」
「ルミ姉、わかった、待ってるね」
そして1分後、ルミナとハルトが搭乗したフェニックス2号がギャラクシーホイールの搭乗口に到着する。
「ルミ姉、早かったね」
「まあね、レスキュー要請があったからすぐに出たわよ。」
「うん、無事だよ」
「そう、それはよかったわ、でっ、そのカップルは?」
「うん、アトラクションの入り口で降ろしたよ、もう大丈夫だと思う」
ルミ姉がゴンドラの搭乗口を覗き込むと、そこには抱き合ってまだ震えているカップルがいる。
「ねえノバ、あの二人に事故発生時の様子はヒアリングできた?」
「ううん、真っ青な顔していたからまだなにも聞けてないけど・・・」
「じゃあさ、私が聞いておくから、ミーナミさんとデートの続きしておいでよ」
「えっ?でも・・・」
ノバはうつむいたまま顔を赤くしてぶつぶつ言っている。
「いいから、いいから早く行きなさい!」
ルミナはそういうと、ノバを再びミーナミの元に送り出す。
ノバがギャラクシーホイール搭乗口に行くと、ちょうど、ミーナミが出てくるところである。
「また会えたね」
ミーナミはノバの顔を見るとうれしそうに、微笑む。にやけ笑いかもしれないが。




