#381 あら、ルミナさん、しぇいくもなげっとも知らないんですか
#381
「ルミナ艦長、じゃあ、このあたりに詳しくないルミナ艦長の代わりにハルト隊長の食事はこの食通ティアナに任せていただくってことでよろしいんですかねえ」
「ティアナ、それとこれとは別じゃないかしらね」
そんな二人のやりとりに不穏を感じたハルトはまあまあ、とまたまた仲裁に入る。
「おっ、ここ良さそうじゃん、どう?」
ハルトが立ち止まって指を差したのは、丸いパンに肉らしきものを挟んだハンバーガーっぽい食べ物屋さんだ。ハンブルガーって書かれているっぽい。
「よし、最初の食事はここのハンブルガーにしようよ、みんないい?」
お腹が空くと争いが増えることはわかっているので、とにかくみんなの食欲を満たしてしまおうとハルトは提案する。
「ハンブルガーですか、いいですね、おいしそうです」
ハルトの提案にルミナが賛成してくれたので、他のメンバーもここでいいか、としぶしぶ同意する。
「あっ、シェイクとナゲットつけてもいいかなあ」
「しぇいくとなげっとってなんですか」
ルミナがハルトに質問する。
「あら、ルミナさん、しぇいくもなげっとも知らないんですか、さすがお嬢様育ちですねえ」
ティアナがルミナを挑発する。やめてくれ、お前らが本気であばれるとこんなステーション位楽々ふっとびかねないんだからな。
ハルトはそうつぶやくと、にらみ合うルミナとティアナをしり目にノバチョコを伴ってカウンターでハンブルガーとハンブルシェーク、ハンブルナゲットを人数分注文する。
インターワープステーション2ベータのゲートと連結したこのホールはとても広く、お店も多い。
もちろん食事ができるスペースも広々としている。ハルト一行はその一角に陣取って、ノバチョコが注文して持ってきてくれるハンバーガーやナゲットを並べている。あっ、ポテトもちゃんとあるぞ、よしよし、ノバチョコが気を利かせくれたんだな。
「よし、みんな行き渡たったかな」
「はーい」
「じゃあ、インターわプステーション2ベータへの無事の到着を祝ってかんぱーい」
ハルトが音頭を取ると、全員が高々とシェイクのカップを掲げて近所同士でぶつけ合う。
ハルトの右隣がルミナで左隣がティアナだ。この配置はどうやら固定したらしい。




