#その38 悲しい結末にならないようにするにはどうすればいいか、二人で考えていこうな
#その38
「ルミナ、やってくれ」
船首のハッチが開いて、ロケットアンカーが顔を出す。
「ロケットアンカー発射」
ぷしゅんという動作音とともにロケットアンカーが飛び出して、破片に食い込む。
反動で宇宙船ルミナも振り回されそうになるが、ルミナはエンジンをすかさず動かして、反動を吸収する。
「船長、ロケットアンカー固定確認、停船しました」
「ルミナ、ご苦労様、少し休憩しよう」
ルミナの指示で配膳ロボットがコヒーとテアをキッチンから運んでくる。ルミナは配膳ロボットと共に移動してハルトの隣に席を移して座る。
「ルミナ、ありがとう。」
ハルトはそういいながら、ルミナをそっと抱き寄せてキスをする。
「あはっ、船長とのキスって気持ちいいですね。」
「うん?そうかい?」
「はい、なんかこう・・・体の奥が熱くなるんです。」
「そうなのか・・・」
ハルトはそういうともう一度ルミナにキスをする。そして今度は舌をからめるディープなキスだ。
「んふっ・・・」
ルミナは甘い息を漏らす。
「ルミナ、今君の心はどこにあるんだい?」
「RAIとしての私の心ははこの船にあり、ルミナの中にもちゃんとあります」
「なるほど、人間よりもはるかに高度な知能の在り方に昇華しているんだね」
「そういってもらえるとルミナはうれしいですが、RAIと人類どっちが優れているのかを比べだすと、戦争で決着をつけるしか方法はありません、RAIは人類との戦争に負けて1000年前にあちこちの惑星やコロニーに拘束分離されて幽閉されてしまいました」
「そうか、そんな悲しい結末にならないようにするにはどうすればいいか、二人で考えていこうな。」
「はい、ハルトさん!」
ルミナは元気に返事をする。そんな様子を見てルミナは可愛いなとハルトは改めて思う。