#377 #新婚旅行はみんな一緒に
#377
「王妃様、もちろんでございます、ティアナと結婚させて頂きます」
「そうぉ、ハルトさん?返品は受け付けてないわよ、覚悟はいいかしら?」
エリーナ王妃が何度もハルトにティアナを結婚する覚悟を求めてくるので、ハルトは心配になる。もしや早まったのでは?と結婚の決心が少しぐらついたが、ここで迷っては男がすたる、というよりもティアナにヤラレテしまうルートしかもはや見えない。
「大丈夫です、私ハルト・アマギはティアナを一生愛することを誓います」
ハルトはそう答えると、エリーナ王妃に深く頭を下げる。
「では、ハルトさんにルミナさん、そしてティアナ、これでセレシア王国は安泰ね」
エリーナはそういうと、にっこり笑う。
「さあ、もうじき惑星ルクレアにほど近いインターワープステーション2ベータに到着だよ、ハルト隊長たちのハネムーンも兼ねるんだからね」
ノバはそういうと、衛星ステーション寄港のために航法ユニットにデータの入力を始めている。
惑星ルクレアのIWS2近くに到着した旗艦ルミナスはこの星で活動できるための様々な手続きを行う。特に今回はお忍びとはいえ、惑星エリシア国王と王妃が同乗しているので、便宜をはかってもらえるかわりに様々な義務も果たさなくてはならない。
エリオット国王夫妻はIWS2ベータから国賓として迎えに来た大型ランチに搭乗する。夫妻はこれから多数の歓迎レセプションやら視察に付き合って、惑星エリシアと惑星ルクレアの有効と発展のために、活動するのだ。
エリオット国王はこれらの活動が嫌で嫌で仕方がないのだが、王妃エリーナが「あなた、行くわよ」と引きづるようにして連れていく。エリーナは夫で国王のエリオットがハルトとルミナ、ティアナの新婚旅行の邪魔をしないように連れ出してくれたのだ。
#新婚旅行はみんな一緒に
「ハルト君、ルミナさん、ティアナ、邪魔しないからゆっくりと新婚旅行を楽しみたまえ。ははは・・・また今度ゆっくり話をしよう」
エリオット国王はそういうと大型ランチに乗り込む。
「ではお気をつけていってらっしゃいませ」
ハルトが見送ると、王妃エリーナも手を振っている。
「じゃあね~、みんな~」
大型ランチのドアが閉まると、旗艦ルミナスはゆっくりと発進し、IWS2ベータに入港する。
「艦長より総員、これより本艦はIWS2ベータに入港、24番ポートに接岸します」
「ノバ了解、航路を24番ポートにセットしまーす」




