#375 私たち左右の妻は永遠にハルトさんを愛し続けます
#375
ぱちぱちぱち・・・
「右婦人のルミナ・サンシャード改め、ルミナ・アマギだ」
「ルミナ・アマギです」
ルミナが優雅な仕草でペコリとお辞儀をする。
「続いて左婦人のティアナ・セレス改め、ティアナ・アマギだ」
「ティアナ・アマギよ」
ティアナは元王女の風格を醸し出しつつ、ルミナに負けじと正統派のお辞儀をする、
パチパチパチ・・・
「では、二人の妻から挨拶を頂こう」
ハルトはルミナとティアナに目配せすると、二人は同時に一歩前に出る。そして声を揃えて高らかに言う。
「私たち左右の妻は永遠にハルトさんを愛し続けます」
「おおーっ、やったあ」
いつもは沈着冷静なアリスが珍しく大喜びしている。よほど二人が結ばれたことがうれしいのだろう。
ノバもリリアもカノンやチョコもバンザイしている。ネコ姿のチョコが立ち上がって短い前足を使っての万歳ってとても可愛い。
「おい、ティアナの父であるこのわしと妻のことを忘れてはおらんかねえ」
そうだ、エリオット司令長官が同乗していたんだった。
ハルトは今の今まですっかり忘れていたが、そんなことは絶対に悟られてはいけない。ばれたら惑星エリシア国王であるエリオットに半殺しの目に会うこと間違いなしだ。
「エリオット国王様、王妃エリーナ様、嫌だなあ、もちろん、これからご挨拶に伺うところでしたよ」
ハルトはそういうと、ティアナの手を取り、エリオットと妻のエリーナの前に進み出る。
「私ハルト・アマギはここにいるティアナを左妻として迎えることをお父様お母様にお許し願いたいです。いかがでしょう」
ハルトは国王夫妻に前に進み出ると惑星エリシア最敬礼である片足を立ててひざまずく。右手を胸の前でこぶしを作って、形を作る。




