#その371 めいっぱい婚約者であるハルト隊長に抱き着いてもいいわけだよね
#その371
旗艦ルミナスは、量子ツインエンジンの出力を全開にすると、インターワープ3に向かって突入する。ワープ内は光が乱れているために、内部の様子はわからない。
「ノバよりチョコ、ハイパードライブ起動」
「チョコより、ハイパードライブ起動成功、メインエンジンと同期させるでござる」
「ノバよりチョコ、えっ、同期なんてできるの?」
「ノバ殿が量子ツインエンジン、拙者がハイパードライブを担当すればばっちり連携できるでござるよ」
「ねえねえハルトさん?」
「ルミナ、なーに」
「ワープ酔いの大きな原因はワープ内位相と宇宙船の位相ずれと予想されているんです」
「それがなにか?」
「ノバチョコがメインエンジンとハイパードライブを同期させることができるのなら、ワープ酔いは激減するのではないでしょうか?」
「えっ、そうなの?もちろんアリスはこのこと承知してるよね」
「ええ、残念ながらそうなります」
「じゃあ、アリスは知っていてわざわざこんな大掛かりなシステムを作ってくれたんだ」
「それならめいっぱい婚約者であるハルト隊長に抱き着いてもいいわけだよね」
ティアナはそういうとそのばかちからでハルトをぎゅっと締め上げる、いやハグする。
ルミナも負けじと、反対側からハルトをハグする。
「あいたたた、ちょっと、二人とも痛いって」
「あらごめんなさい」
「ごめん、ハルトさん」
「でも、これはこれで悪くないかも・・・」
「ハルトさん?」
「いやなんでもないよ、アリス、聞こえる?」
「ハルト隊長、聞こえます、アリスです』
「アリスへありがとうな、これで安心してワープインできるよ」
「ノバより、総員、本艦はこれよりインターワープ3内に突入するよ」
「了解!」
「もごもご、了解」
「ノバより、量子ツインエンジン出力100%、ワープイン!」




