#その362 ノバ了解、重力コントローラ出力増、旗艦ルミナス浮上
#その362
ティアナはそういうと、ティアロイドのブースタに点火して、すっ飛んで行ってしまう。
「っ、しょうがない奴だ、ルミナ艦長、フェニックス隊旗艦ルミナス、発進してくれ」
「ルミナよりノバ、補助エンジン始動、量子プラズマジェネレータ圧縮開始」
「ノバ了解、補助エンジン始動済み、量子プラズマジェネレータ圧縮率80、重力コントローラ動作開始できるよ」
「ルミナへ、今日は海中トンネルを使ってくれ」
「ルミナ了解、フェニックスベースドック、注水開始」
周囲のダクトから大量の海水がドック内に注ぎ込み、旗艦ルミナスの周囲はあっという間に海水で満たされる。
「ルミナよりアリスへ、ドック内ロックアーム解除」
「アリスより、ロックアーム解除、船体浮上します」
旗艦ルミナスは巨体をドック内に注ぎ込まれた海水上に浮上する。海上に浮かぶルミナスを独特の揺れが迎える。
「ノバより、旗艦ルミナス、発進、微速前進、するよ」
「ルミナ了解、旗艦ルミナス、発進」
旗艦ルミナスは、ゆっくりとドックを離れて、ドック内の水路を微速前進する。
「ルミナより、潜航開始」
「ノバ了解、重力コントローラ出力減、潜航するよ」
ノバはそういうと、旗艦ルミナスをゆっくりと海中に潜航する。
水中を航行する潜水艦は潜航するために周囲の海水を艦内に取り入れることで、艦体を重くし、潜水する仕組みが標準であった。旗艦ルミナスは重力を制御することで潜水することができるのだ。
「ノバより、潜水完了、これより前進するよ」
「ルミナ了解、トンネル内注意して」
旗艦ルミナスは海中トンネルをゆっくり進む。短いが狭いトンネル内を巨体の旗艦ルミナスは慎重に進む。
「ルミナより、これよりトンネルを抜ける、浮上よーい」
「ノバ了解、重力コントローラ出力増、旗艦ルミナス浮上」
旗艦ルミナスはその巨体をゆっくりと海面に向かって浮上する。
「リリア、海上の様子はどう?」
「リリアより、海上は晴れ、波穏やか、気温22、絶好の浮上日和です」
「ルミナ了解、ノバ、浮上して」
「ノバ了解、浮上するよ」




