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#その361 #惑星ルクレアに向かって出発!

#その361


 集合場所の迎賓館ホールには国王エリオットと妻で女王のエリーナがうれしそうにぶんぶんと手を振っているではないか。


「ちょっとちょっと、お父様とお母様が行くなんて知らなかったよ、わたしゃ」

 ティアナがぶんむくれている。


「おうおう、ティアナに言えばぜっーたい、来るなって言われるからのう、ハルト隊長には{ティアナにばらしたらこの計画は却下じゃ}とお願いしたんじゃよ、ほほほ」


 エリオット国王は同行することでティアナが不機嫌になることは想定内のようだ。


「そうはいってもわしは国王じゃし、フェニックス隊司令長官だからのう、こうした巨大プロジェクトには総責任者として同道するのは当たり前じゃないかの?」


「じゃあ、母上は?、夫婦で娘の遠足に同行っておかしいんじゃないの?」

ティアナは血相変えて、エリオットに詰め寄るが、その態度はびくともしない。


「国王がよその惑星に行くときは、原則夫人同行っていうのは国際条約で決まっているからのう、破るわけにはいかんじゃろう?」

 エリーナはにこにこして、うなずいている。


「もう、勝手にすればいいわよ、ワープ酔いしたって介抱してあげないからね」

 ティアナはぷんすこご機嫌ななめであるが、内心はちょっとうれしいのかもしれない。


「まあ、いいじゃないかティアナ、ご両親とピクニックなんてめったにできないんだから」

 ルミナはそういいながら、ノバの持っているバスケットをチェックしている。


「うん、そうだね、じゃあ、出発しようか」

 こうしてスペースレスキュー隊フェニックスご一行様は緑いっぱいの(はずの)惑星ルクレアに向かって旅立つ。


*惑星ルクレアに向かって出発!


「全員、搭乗完了した?」

 ハルトがルミナに尋ねる。


「えーっと、ティアナがいません」

「おい、ティアナどこにいる?」


「ハルト隊長、ティアロイド先に行ってもいいすかー」

「ティアナ、今日は一緒に行こうじゃないか、父母もここにいるんだぞ」


「衛星オツキの近くで合流しまっす、ティアナ行きまーす」


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