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#その360 緑いっぱいの惑星でひっさしぶりにゆっくりしたいもんだな

#その360


「いやいや、チョコには本当に感謝しているぞ」

「そうでござるか?それはうれしいでござるよ、本番用はもうちょっと効能を強くするので、期待していてくだされ」


「えっ、この苦さで本番用じゃないのか・・・」


 良薬口に苦しとはいうけれど、これはちょっと耐え難い苦さだ。ゲロまずというのがふさわしい。アリスに頼んで、オブラートを生成してもらうか・・オブラートってこっちの世界にもあるかなあ、それとも甘くコーティングしてもらうか、さっそくハルトは対策を考える。


 それでもみんながこんなにピクニックを楽しみにするとは思わなかった。ティアナはいい提案をしてくれたよな、感謝、感謝・・・


「じゃあ、みんな準備をしようね」

 ハルトのワープ酔い対策がなんとか終わり、希望の光が見えると、ルミナが準備開始を宣言する。そこにいたメンバー全員がうれしそうにうなずく。


 そう、みんなに行動を促しているルミナ自身もピクニックに行けることがうれしくて仕方がないようだ。


「そうだな、俺も緑いっぱいの惑星でひっさしぶりにゆっくりしたいもんだな」

 ハルトもとびっきりの笑顔でルミナの言葉に賛同する。


 こうしてスペースレスキュー隊フェニックスは旗艦ルミナスを運用し、インターワープ3をも通過するというピクニックにしては大がかりなご苦労様旅行の実施が決まる。


 インターワープを大型戦艦を運用して通過することは、他国では何年もかけて国家プロジェクトとして挑むレベルの計画だ。だが、ハルト達は気にしない。


 いや、ハルトだけがインターワープの通過を気にしているのだが、もはやこの計画はよその国家が邪魔をしようとも止めることはできないであろう。


 その勢いのまま、ハルトは司令長官エリオットにご苦労様ピクニック(目的地惑星ルクレア)とさりげなく書いた計画書を上申して、まんまと承認を受ける。


そしてピクニック当日がやってきた・・・のだが・・・。


「あれっ?なんで?」

ノバが驚いたような声を上げる。


「どうした、ノバ」

ハルトはそういいながら、ノバの見ている方向を見る。


「あれっ?なんでだ?」

 今度はハルトが驚く番である。


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