#その36 メインプラズマエンジン始動、プラズマエネルギー流入開始、初期状況異常なし
#その36
メインモニターには宇宙線取り込み状況、宇宙線保管状況、プラズマジェネレター変換状況、補助エンジン、メインエンジン、プラズマエネルギータンク状況がずらりと表示されている。
「ルミナより船長、プラズマエネルギー変換50%完了、メインプラズマエンジン始動可能です」
「ルミナへ、メインプラズマエンジン始動」
「ルミナ了解、メインプラズマエンジン始動します。プラズマエネルギー流入開始、初期状況異常なし」
キーンという補助エンジン音からシュイーンという音に変わり、メインプラズマエンジンが動作開始したことをハルトは実感する。
「メインプラズマエンジン始動します」
ルミナはそういうと一際大きなレバーを静かに動かす。シュイーンの音がさらに大きくなり、やがて静かになる。
「ルミナより船長、メインプラズマエンジン始動しました」
「よし、宇宙船ルミナ、発進する」
「ルミナ了解!」
ルミナはそう言うとプラズマエンジンの出力を徐々にあげる。
このエンジンは1000年前のものとは思えないほど動作音が軽快だ。宇宙線は宇宙空間に満ちており、宇宙船のエネルギー源として最適だが、採取やその後の扱いが難しい。
「ルミナ、今の出力は?」
「現在プラズマエンジン出力60%です。内部圧力、プラズマジェネレータ共に良好、です。」
「了解、そのまま巡航速度80%まであげて。」
「はい、船長。巡航速度80%まで出力アップします。」
ルミナは操船室のスクリーンに、現在の船の位置や進行方向を表示させながらそう答える。
「よし、じゃあこのままインターワープ航法ユニットを探しながら宇宙を航行しよう。」
ハルトがそう宣言する。
「わかりました。船長。」
ルミナはそういうと、プラズマエンジンの出力をさらに上げる。
暗い宇宙空間ではあるが、遙か彼方には別の星系の恒星が見えている。加速感もちゃんとあるので、ハルトはここが宇宙空間であり、今宇宙線ルミナに乗り組んで航行していること改めて実感する。