#その357 さんせーい、きっと今頃、きれいな緑の星になってるよ
#その357
「でも、私たちにそんな余裕あるの?」
「大丈夫、このところ任務が続いてみんな疲れがたまってるから慰安旅行は良いと思うよ」
ハルトはそういいながら、すでに頭の中で旅行の手配をしているようだった。
「でも、どこに行こうか?」
カノンがみんなに聞く。ノバが、はいと、挙手する。
「ねえねえ、惑星ルクレアを去る時にアリス姉が仕掛けたことをみんな覚えてる?」
「アリス姉が仕掛けたことって・・・あっ」
リリアが思い出したようだ。
「緑化してくれるマイクロマシンを搭載した宇宙魚雷をぶっ放したことだよね」
「リリア、よく覚えていたねえ」
「ノバ姉、だってそれ発射したのこのリリアだよ、覚えているさー」
「そうよね、忘れてたけど、あのマイクロマシンが今でも機能しているとすると・・・」
リリアがみんなの話を聞いているうちに一つのアイデアが生まれたようだ。
「ねえ、みんな、惑星ルクレアにピクニックに行こうよ?」
そしてノバが賛成する。
「さんせーい、きっと今頃、きれいな緑の星になってるよ」
「いいね、いいね、緑の星って癒されそうだね」
ティアナは暗い宇宙空間での活動が多いので、ことのほか緑に覆われた自然がいいようだ。
「ねえ、ハルト隊長、いいでしょっ?」
「うーん・・・」
#ハルトはインターワープが苦手なのだ
「あれっ、隊長はルクレアへのピクニックは反対?」
ルミナが心配そうハルトの顔を覗き込む。
「いや、反対っちゅうわけじゃないんだけど・・」
「けど・・・?」
「惑星ルクレアに行くには、ほら、アレを通らなくちゃいけないからなあ」




