#その353 なお、帰艦までが任務だからね
#その353
「リリアより、TURIBITOご苦労様、帰艦して」
クルーザーに取りついていた釣り人くん達は一斉にフェニックス2号に戻り始める。
フェニックス3号ノバチョコはクルーザ-イルカ号をフェニックス2号の近くまで牽引する。ティアナが周囲を警戒しながらそれに付き添う。
「こちら、クルーザーイルカ号です、レスキュー隊聞こえますか」
安全地帯までたどり着くと、クルーザーイルカ号から通信が入る。
「こちらスペースレスキュー隊フェニックス、艦長ルミナです」
「こちらクルーザーイルカ号船長トーダです」
「トーダ船長へ、そちらの損害状況をお知らせください」
「ルミナ艦長、チェック中ではありますが、爆発した航法ユニット周辺がだいぶ焦げています」
「トーダ船長へ、自力航行可能ですか」
「インターワープステーション3アルファまでなら行けそうです」
「トーダ船長へ、それではアルファ周辺までフェニックス1号に先導させましょう」
「ルミナ艦長、ありがとうございます」
トーダ船長からは消えた黒ずくめ5人組と提供された航法ユニットのこと、IW3内の記録データなどがアルファに向かう間に提供される。不可解なことが多いが、いずれノバやアリスが解析してくれるだろう。
「フェニックス隊のみなさん、本当にありがとうございました。おかげさまで命拾いしました、お礼はいかがすればよろしいでしょうか」
「クルーザーイルカ号へ、レスキューは無料です。そのかわりスペースレスキュー隊フェニックスのスポンサーである惑星エリシアのエリオット国王の宣伝をお願いしますね」
「本当にそれでいいのでしょうか」
「フェニックス隊隊長ハルトです、本当にそれでけっこうです、それではよい旅を!」
クルーザーイルカ号をIWS3アルファまで先導したフェニックス1号はルートを離れる。同じく片づけを終えたフェニックス2号が合流する。
「艦長ルミナよりフェニックス1号、2号、3号共にレスキュー旗艦ルミナスに帰投せよ」
「了解!」
「なお、帰艦までが任務だからね」
フェニックス1号ティアロイドは、アンカーを収納すると全速力でルミナスに帰投する。フェニックス2号はTURIBITOやら太公望、それにフェニックス3号をコンテナに収納するとレスキュー現場を離脱する。