#その340 叫んだ方がかっこいいしより再現性が高いようにティアナは思う
#その340
さらに巨大化するのがティアロイドLだ。10m~20mサイズなので、地上では巨大ロボといえるだろう。ここまで大型にビルドアップすればそれだけ多くのエネルギーを必要とするために、通常の先発段階ではティアロイドSで急行する。
ティアロイドはスペースレスキュー隊フェニックスが発足する以前はティアロボットと呼んでいたが、ダサいので呼び方を変えた。
ティアナが叫ばなくてもビルドアップできる。だが、叫んだ方がかっこいいしより再現性が高いようにティアナは思う。
ティアロイドはレスキュー命令が承認されると先頭切って現場に急行する。以前にティアナが切り込み隊長の異名を持っていたころを彷彿させる。
ティアロイドは現場に到着すると、フェニックス1号として司令機能を持つ現場指揮機体となり、状況確認、情報収集を行い、レスキュー艦ルミナスにデータを送る。
可能であれば、初期レスキュー活動やレスキュー対象者とコミュニケーションを行い、落ち着いたレスキュー活動につなげることも想定されている。
一秒を争うレスキュー現場に誰よりも速く到達するためにティアロイドには様々な専用特殊装備がアリスにより用意されている。
その一つが、宇宙戦艦ルミナスからティアロイドが発進する時に装備するブースタだ。これはアリス特製プラズマブースタで、ティアロイドのボディにドッキングして使用する。使用後はルミナスに自動帰還する。
左舷デッキのカタパルトから勢いよく射出されたティアロイドは、船外に躍り出ると特製ブースタに点火して、バカみたいな速度で現場に爆走する。
ティアロイドはレスキュー現場に向かうときはフェニックス隊の一員であることを示すためにフェニックス1号=FX1と呼称することに決めている。
さて、ティアロイドSにビルドアップしたFX1ティアナはツールデッキに移動すると、その背中にプラズマブースタをドッキングする。これで全てを装備して準備完了となる。
ティアロイドは左舷デッキ内にある射出カタパルトに片足ずつ載せて、両足をセットする。
「フェニックス1号FX1、発進準備完了!」
「FX1ティアロイドへ、よし行け!」
ハルトがティアロイドの出動を承認する。同時にドームがオープンする。
「フェニックス1号へノバより、射出するよ」
「フェニックス1号、いっくよー」




