#その337 ・・・・ここはIW3の出口・・・なんでこんなことが起きているのか・・・
#その337
トーダ船長の悲痛なレスキュー要請を、スペースレスキュー隊フェニックスの全宇宙通信回線型レシーバが幸いにも受信する。
「ノバ殿、レスキュー要請ではないだろうかの?」
ノバの肩に載って寛いでいる黒ネコのチョコ・ショコラがノバに言う。
「チョコありがとう、聞き落とすところだったよ」
「拙者はこんなことくらいしか今はできないのでな」
チョコに言われて、ノバはイルカ号に返答する。
「こちらスペースレスキュー隊フェニックス、イルカ号聞こえますか?」
「こちらイルカ号・・・・・かろうじて聞こえる状態です、これもいつまで保つか・・・」
「ルミナよりノバ、発信場所、特定できそう?」
「ノバより、もう一回話しができればわかるかも」
フェニックスベースで、レスキュー信号を受信したルミナとノバに緊張が走る。
「じゃあやってみるね」
「フェニックス了解、なんとか聞こえてますよ、まだ望みはあります」
「ルミ姉、イルカ号の場所、特定できたよ」
「じゃあ、次は状況確認ね」
「・・・・ここはIW3の出口・・・なんでこんなことが起きているのか・・・」
レスキュー信号を受信すると第一報は司令長官エリオット国王に報告される。
「エリオット司令長官、インターワープ3付近からレスキュー要請です」
「エリオットよりレスキュー隊へ、インターワープは王国だけが管理しているわけではないのじゃ、出動承認できるか判断するために、もう少し情報が欲しい」
エリオット長官の判断のためにフェニックス隊本部ではルミナの指示によりノバが発信場所の解析を急ぐ。
「ルミ姉、発信場所がわかったよ、ちょっとやっかいな場所だね」
「ノバ、それはどこなの?」
「インターワープIW3アルファの境界付近だよ」
アルファは惑星エリシアから見たIW3の出入り口のことである。
惑星エリシアにハルト達が来た時にIW3に入った口はIW3ベータと呼ばれていることが後でわかった。ルミナとノバのやりとりの一部始終を見ていたハルトが尋ねる。
「なあノバ、そこはIWS3の内部なのか、外部なのか、どっちか分かるか?」




