#その326 「覚悟って?」 「惑星エリシアを背負う覚悟かな?」 #任務その4 クルーザーイルカ号を救出せよ
#その326
「だから、レスキュー隊に入れて、隊長のお手付きってことになれば、もう誰からも狙う価値はなしってことさ」
「ふーん、ティアナがフィアンセで悪い気はしないでしょ?」
「まあな、でも王女様が相手っていうのはそれなりに覚悟が必要だからな」
「覚悟って?」
「惑星エリシアを背負う覚悟かな?」
「ハルトさんはそこまで考えているのね」
「ああ、でも考えすぎかもしれないけどね」
「そんなハルトさんがルミナは大好きです、惚れ直しちゃうな」
ルミナはそういうと、再びハルトの唇に吸い付くようなキスをする。ハルトとルミナの夜はまだまだ続くようだ。
#任務その4 クルーザーイルカ号を救出せよ
#クルーザーイルカ号とトーダ船長
クルーザーイルカ号は全長100にも満たない小型宇宙船だ。小型ではあるが、プラズマジェネレータを持ち、エネルギーの自律調達が可能である。エンジンはツインプラズマエンジンを艦尾に装備し、快調に宇宙空間を航行することができる。
乗組員の定員は最大4人であるが、人件費節約のために船長トーダと航海長で運航することも多い。
通常航行は航法ユニットがきっちりこなしてくれるので、人間が操船しなくてはならない場面はそうそうあるものではない。機関長を省略する代わりに、セルメンテナンスエンジンを導入して、事前にトラブルを防いでいる。
乗客定員20名で、3種類のシートランクを導入している。標準のAシート、足をゆったり伸ばせるビジネスシート、横になるスペースを持つデラックスシートだ。
イルカ号のお客さんたちはそもそも惑星間航行をしようというお金持ちなので、Aシートの需要はあまりない。ビジネスシートですら、敬遠されがちなので、いっそ全シートをデラックスに換装してもいいのではと思っている。
船内には簡単な食事を提供するビュッフェコーナーがあり、自動調理器による料理を提供している。また航行中一人一回分のシャワーも提供しているので、イルカ号はなかなか評判が良い。
船そのものは小型なので、最長7日間程度の惑星間航行を請け負うことが多い。航法ユニットを装備していて、インターワープを通過できるために仕事をきらしたことは今までにない。




