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#その324 あれ?ルミナ、今日はおとなしく部屋に戻ったんじゃ?

#その324


 チョコ・ショコラを迎え入れたハルトは改めて、RAIの不思議な生態を実感する。チョコはどうやらノバの対になる存在のようだが、同じ航法ユニット同志がペアになるとはどうにも考えにくい。


 チョコはオルカ号の航法ユニットからレスキューしたのは確かなのだけれど、航法ユニットとは違うなにかなのかもしれない。


 現時点でアリスにもわからないのだから、ハルトにわかるはずがない。だが、ここに受け入れられたということは探しているRAIの仲間であることは間違いないことだけは確かだ。


 チョコもそのうち覚醒して、本来の能力を発揮する時が来るかもしれない。それまではノバのベストパートナーでいてやって欲しいものだ。


「ハルト、そろそろお開きにしない?」

ルミナがそういいながら、ふらふらと立ち上がる。どうやらみんなも相当酔っぱらっているようだ。


「そうですね、そろそろお開きにしましょうか」

「じゃあ、最後に記念撮影でもしようかな」


 エリオット司令長官がそう言うと、チョコを抱っこしたノバを真ん中にしてレスキュー隊員全員がステージに上がり、集合写真を撮影する。そしてようやくパーティは解散となる。


 人間であるハルトの酔いはすぐに覚めないので、自室のベッドに身を預けて、ハルトはふうふう言いながら、うとうとする。


「とんとんとん、入っていいですか?」

 そう言ってハルトの部屋に忍び込んでくるのはルミナだ。迎賓館のハルトがいる部屋の隣は自称フイアンセのティアナで、反対側がルミナの部屋だ。


 ハルトの部屋とはそれぞれ壁側に設置したドアで廊下に出ることなく行き来することができる。ティアナ側のドアは国王エリオットに遠慮してもちろん封鎖してある。


「あれ?ルミナ、今日はおとなしく部屋に戻ったんじゃ?」

「ハルトさんと一緒にいたいの、だめ?」


「うれしいな、どうぞ」

 ハルトはそういいながら、ルミナを部屋に招き入れて、ベッドサイドに座るように勧める。

 

「ハルトさん、なんか目がとろんとしてるけど、大丈夫?」

 ルミナは心配そうにハルトに声をかける。


「ちょっとね、そろそろ酔いが回ってきたみたい」

 ハルトはそう言って笑いながら水の入ったグラスを手にする。


「お水、私が用意します」



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