#その320 嫌だなあ長官、目の前にさっきからいるじゃないですか?
#その320
「まあまあハルト君、そう変な目で見るでないよ、そんなことよりさっそくチョコ・ショコラ殿を紹介してくれないかの?」
「わかりました、チョコ・ショコラ、ここへ」
「はっ、ハルト隊長殿」
ハルトは現エリシア国王であると共にフェニックス隊司令長官でもあるエリオットにチョコを紹介する。
「ところで、ハルト隊長、チョコ・ショコラ殿はどこに?」
「嫌だなあ長官、目の前にさっきからいるじゃないですか?」
「どこ?・・・ってまさかこの黒ネコさんがチョコ・ショコラ殿?」
「長官、そうですよ、チョコがネコだって伝えませんでしたっけ?」
「聞いてない、聞いておらんぞ」
エリオットは首をぶんぶん振って否定する。
「エリオット長官とエリーナ奥様、まあそういうこともありますよ。」
「まあよい、チョコ殿をさっそく紹介してもらおうかのう」
ハルトはエリオットに促される。ハルトは目でチョコにステージ中央に進むように指示する。
「さて、みなさん、改めて紹介しましょう。ここにいるのが新たにスペースレスキュー隊フェニックスに加わるチョコ・ショコラ殿だ、チョコ殿、自己紹介をして頂きたい」
ハルトに紹介されて、チョコは一歩前に歩み出る。
「ただいま紹介にあずかりましたチョコ・ショコラと申すものでござる。まだ未熟な半端者ゆえに気になったことはどしどしご指導ご鞭撻頂きたい」
チョコ・ショコラはそういうと深々と頭を下げる。
「まあ、可愛いわねえ」
エリーナはそういうとチョコをいきなり抱き上げる。
チョコは何事かと思ったが、エリーナが王妃であることを理解しており、されるがままにしている。
「あー、チョコ・ショコラの所属を発令する」
エリオット司令長官がステージ中央に立つ。
「えへん、チョコ・ショコラを少尉に任官する。所属はレスキュー隊フェニックス旗艦ルミナス、担当は機関士、フェニックス3号、以上だ」
チョコは改めてステージ中央に進み出る。
「チョコ・ショコラはただいまの少尉以下を拝命いたす。ありがたき幸せでござる」
チョコはそういうと深々と頭を下げる。




