#その32 ルミナの実体はないが、実感はあるのが不思議だ
#その32
そういってするっと部屋に入ってきたのは、等身大化したルミナである。
「ルミナ、どうしたんだい?」
「はい、ハルト船長とお話がしたいんです。入ってもいいですか。」
「まあ、どうぞ」
ハルトはそういうとルミナに入室を許可する。
「ありがとうございます、失礼します」
ルミナはそういうと、するりと船長室に入り込む。
そのまま立っているので、ハルトはベッドに座るようにうながす。
「まあどうぞ」
ハルトに言われてルミナはハルトの横にちょこんと座る。
そしてそのままハルトの胸元に顔をうずめる。ルミナは大きくなってはいるが、身体の感触をハルトは感じることはできない。
「ルミナ、どうやって大きくなったんだ?」
「船長、いえハルトさんが私のことを好きになってくれました。そしてこの宇宙船を暗い惑星から救い出してくれました。ハルトさんが私と縁を結んでくれたので、ルミナを制限していた何かが解除されて大きくなれたんです。」
「そうか、今までつらかったね。」
「全部ハルトさんのおかげです。未だに実体は伴っていないのが残念です」
ルミナはそういうとハルトにぎゅっとしがみつく。
「ハルトさん、愛しています。」
そういうとルミナはハルトにキスをする。
「るっ・・・ルミナさん?」
「あはっ、びっくりしました?」
「そりゃ驚くよ。」
「でもこれからもっとびっくりすることしますね!」
そういいながら、ルミナはするっと服を脱ぐ。そして下着姿になる。ハルトとは生まれた時代がだいぶ違うというのに、ハルトの前世で見かけた下着をちゃんと着用している。
きっとハルトの記憶や時代をスキャンしてハルトの好みを調べたのであろう。そんなルミナのいじましい努力の結果、ハルトはこのまま指をくわえてみていることに我慢ができなくなる。
ルミナを抱き寄せるとベッドにそのままもつれ込む。ルミナの実体はないが、実感はあるのが不思議だ。