#その319 迎賓館入口には大きなボードが掲げられていて、『歓迎!チョコ・ショコラ殿!』と書かれている
#その319
ざばーん、とルミナスは海上へ着水する。そして、ぶくぶくぶくと潜航を始める。
100ほど潜航後に180度回頭、後進にて水平移動を行う。進路先の岸壁には巨大なゲートが開きつつある。
「ルミナより、旗艦ルミナス、海中水路へ進入開始、狭いので上下左右に注意」
「ノバ了解、セミオートで進入します」
「ルミナより、間もなくフェニックスベースドライドックに到着します」
「アリス了解、ここからは私がやります」
アリスはルミナスの操艦を引き継ぐと、ドック内にぴたりと停止する。
「アリスより、これよりドック内排水します」
ドックから海水が高速ポンプにより排出される。
「ルミナより総員、下船して迎賓館へ向かってください」
「アリスより、ルミナスのチェックしたいんだけどなあ」
「ルミナよりアリスへ、今日はだめよ、あなたも絶対来ること」
ルミナの指令によりフェニックス隊全員がカートの搭乗して、ルミナスを下船する。カートは専用通路をフェニックスベース内迎賓館に向かう。
迎賓館入口には大きなボードが掲げられていて、『歓迎!チョコ・ショコラ殿!』と書かれている。
「用意がいいねえ、誰の準備かしらね」
ルミナが誰ともなく聞く。
「こんなことするのって司令官くらいしかいないんじゃ?」
迎賓館に到着した一行は、予想通り室内も同じように飾られており、いよいよ確信する。
「チョコ・ショコラ殿!ようこそ、スペースレスキュー隊フェニックスへ、そして、惑星エリシアへ、歓迎します」
迎賓館ホールでは品のいい、男性と女性が大げさな身振り手振りで一行を歓迎する。
「あ、ありがとうでござる・・・」
チョコは照れて、もじもじしている。
「さあ、みんなも入ってくれ」
一行は迎賓館に入っていく。
「チョコ・ショコラさん、よくいらっしゃいました」
「やっぱり、あなたでしたか、エリオットエリシア国王兼うちの司令長官?」