#その317、ノバは光の矢となり、宇宙空間を切り裂く喜びに浸る
#その317
「ノバより、フェニックス3号、プラズマエンジン出力80%、ルミ姉、いつでもいいよ」
「ルミナより、じゃあ、いくよ、3,2,1・・・射出!」
フェニックス3号はカタパルトの速度も加わり、ものすごい速度で宇宙空間に飛び出す。
「チョコ、エンジン出力100%、ぜんかいー!」
「チョコ了解、最大出力にするでござる」
「いやっほー、アリス姉、こりゃすごいよ」
「ノバ、そうでしょう、チョコのおかげよ、でもまだ慣らし運転終わってないからほどほどにね」
「チョコ、ありがとう」
「こんな拙者でもお役に立ててなによりでござる」
「ノバ、ちょこっとフェニックス3号についてレクチャするね」
チョコはアリスのレクチャを受けるために、エンジン出力を60%まで落とす。
「最高速度はチョコ・ブースタ使ってほぼ光速まで、これはルミナス艦と一緒だし、ティアロイドよりも速いよ」
「そりゃあいいねえ、さいっこう!」
「普段は今みたいにシールドを展開して使ってね」
シールド展開していれば、ある程度のデブリであれば防御できそうだ。
「レスキューメカは小さなものなら十分運べるよ」
「うん、うん」
「あなた達が無茶して戻れなくなるとフェニックス隊は航法ユニットを2ついっぺんに失うことになるから、そんなことは絶対にやめてね」
「アリス姉、わかった、肝に銘じておくよ」
ノバはそういうともう一度、フェニックス3号を最高速度まで加速し、宇宙空間を切り裂赤黒い槍と化する。
そして、フェニックス3号を大きく旋回すると、機体を左右に揺らして、フェニックス3号ここにありと周囲にサインを送る。やがて満足したのか、旗艦ルミナスに向けて全速力で帰投する。
「ノバ殿、拙者、性能はいかがであろうか?」
「チョコ、もうっ、さいっこう」
ノバはそういうと、何度も出力を最大まで上げることを繰り返し、光の矢となり、宇宙空間を切り裂く喜びに浸る。
「ああそうそう、言い忘れてたけど」
ノバチョコはもういないので、アリスは独り言をつぶやく。




