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#その316 ハルト隊長、フェニックス3号、テスト運航よろしいですか?

#その316


「アリス姉了解、フェニックス3号、プラズマジェネレータよりエネルギー注入、完了、エンジン始動」

「アリス姉、エンジン始動までのアイドルタイムが短くない?」


「そりゃあ、レスキュー出動は一刻を争うからね、そこは短くなるように工夫させてもらったよ」

アリスが自慢げに説明する。


「それと、この大きさでプラズマエンジン積んでるの?」

「ノバ、いいところに気が付いてくれたね・・・そこはね・・」


「ノバ姉、プラズマエンジン始動したでござる、いつでも飛べるでござる」


「まっ、細かな説明はまたでいいか・・」

 話しを聞いてくれそうもないノバを見てアリスはこれ以上のオタク的説明はやめる。


「じゃあ、私はルミナスに戻って、向こうでフェニックス3号のデータを取るから」

「アリス姉、ちょっとその辺を飛んできてもいい?」


「ハルト隊長、フェニックス3号、テスト運航よろしいですか?」

「ハルトより、もちろん、いいとも」

 これまでの様子を何気に眺めていたハルトは隊長らしく許可を出す。


「ノバよりチョコ、RAIシステム同期、開始」

「チョコより、同期受諾、開始するでござる」


 チョコはそういうと、元のスペースバイクとノバとチョコの各システムを同期して、一体化する。これでスペースレスキューバイクフェニックス3号は隅々までノバの手足となって動くことができるはずだ。


「ルミ姉、左舷デッキカタパルト準備と、ゲート開けて欲しいな」

「ルミナより、仕方ないわねえ、ちょっと試したらすぐ帰ってくるのよ」


 ルミナはそういうと、左舷デッキの扉をゆっくりと開く。そして、カタパルトにノバはフェニックス3号をセットする。


「ノバ、フェニックス3号、シールド装備して」

「ノバ了解、チョコ、シールド全開にして」


「チョコ了解」

 チョコがそういうと、フェニックス3号前部カウルよりシールドが展開されて、ノバとアリスを含めて、マシン全体をすっぽりと覆う。


 その様子は黒い本体に赤いへびが巻き付いた双頭の槍を思わせる。


「ルミナよりフェニックス3号、射出準備完了」


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