#その312 。煮て食うなり焼いて食うなり、覚悟はできてござる
#その312
「チョコさん、改めて、こんにちは。機関長ナビゲータ少佐ノバ・アストラだよ」
このあたりからみんな面倒くさくなり、自己紹介もずいぶん省略される。
「メカコントロール少佐リリア・オパリナです」
「メカコントロール補佐少尉カノンです」
「工場長少佐アリス・フレッチャーです」
「おっと、最後になっちゃった、少佐切り込み隊長ティアナ・セレシアです、よろしくね」
「チョコ・ショコラさん、みんないい人たちばかりなので安心してね」
ノバはチョコを安心させようと声をかける。
「はい、皆さんよろしくお願いいたします」
「さて、アリスに相談なんだけど」
自己紹介が終わったところで、ハルトがアリスに相談を持ち掛ける。
「ハルト隊長、なんでしょう?」
「うん、さっそくチョコを旗艦ルミナスのシステムに接続して、ふさわしい仕事を探して欲しんだけど、できるかな?」
「はい、ハルト船長、さっそくやりましょう、チョコさん、テーブルの前にある椅子に座ってもらえますかね」
チョコはアリスに言われて、素直にネコの機敏さで椅子に飛び移る。
「これでよろしいでござるか?」
「うん、けっこうけっこう、でござるよ」
アリスが調子を合わせて答える。
「ではチョコ・ショコラさん、これからあなたの精密測定を行います。よろしい?」
「はい、よろしいで、ござる」
「測定はこの艦に入る前にもやったけど、今度はルミナス艦の基幹システムを使って行うので、チョコさんの全てを調べることになります」
「難しいことはわかりかねますが、この身はすでにハルト隊長殿やノバ様に捧げた身でござる。煮て食うなり焼いて食うなり、覚悟はできてござる」
「それは重畳、重畳・・・では遠慮なく測定いたしまするぞ」
「やってくだされ」
アリスはチョコ・ショコラの覚悟をもう一度確認すると、基幹システムに接続するコマンドを投入する。
「ルミ姉、承認お願いします」
「アリス、OK、承認します」