#その311 拙者はチョコ・ショコラと申す若輩者でござる
#その311
「ハルト隊長殿、全力で働きますので、よろしくお願いしたい」
チョコ・ショコラは再び腰を折って、頭をテーブルに擦り付けんばかりに礼をする。
「いやったー、チョコちゃんとこれから一緒だあ」
ノバは大喜びして、デッキ周辺を飛び回る。
「さあ、チョコ・ショコラちゃんにフェニックス隊旗艦ルミナスに入ってもらおうじゃないか、ノバ、内部に案内してあげて」
「イエッサー、ハルト隊長!」
「さあ、チョコ、肩に乗っていいよ」
ノバがそういうと、チョコは素直にノバの肩に乗り移る。
ハルト隊長にはルミ姉、後から来たのにリリアにはカノン、アリスにはマイクロマシン、ティアナはお姫様だから仕方ないし。妹分として眷属としてチョコ・ショコラがノバの元に来てくれてノバは本当にうれしいのだ。
「さあチョコ、このスペースレスキュー隊フェニックス旗艦ルミナスを案内するよ、まずブリッジに行こう」
「うん、よろしくお頼み申す」
ノバはチョコを肩に乗せたまま艦内リフトを使って、ブリッジに向かう。チョコは周囲をきょろきょろと見回している。
「さあ、チョコ、ブリッジに着いたよ」
ノバが分厚いブリッジの扉を押し開けると、ついさっきまで右舷デッキでわいのわいの言いながらチョコ・ショコラを取り囲んでいたフェニックス隊の全員が素早くここに勢ぞろいしている。
チョコ・ショコラを取り囲むように隊員全員が整列する。ハルトは一歩前に出る。
「チョコ・ショコラさん、スペースレスキュー隊フェニックスへようこそ!隊長アマギハルトです、我々はあなたを歓迎します」
ハルトは隊長らしく、チョコ・ショコラを迎える挨拶をする。ハルトの挨拶を受けて、チョコは姿勢を正す。
「盛大な歓迎を頂き、身に余る光栄でござる。拙者はチョコ・ショコラと申す若輩者でござる。諸先輩方、ご指導ご鞭撻、よろしくお願いしたい」
チョコ・ショコラはノバの肩からブリッジ中央のナビゲーションテーブルに移ると再び深々とお辞儀をする。
「チョコさん、初めまして、旗艦ルミナス艦長中佐ルミナ・サンシャードです、よろしくお願いします」




