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#その306 得体のしれないAIなんて家では飼えないよ、捨ててらっしゃい、ってぜってー怒られるよお

#その306


 ノバは航法ユニットの先輩として、どこぞで生まれてくるAI(どこでAIが生まれているのか、AIの里についてノバは知らない)は既に活躍しているAIに弟子入りして、行動を共にしながら、知識や経験を蓄えて、一人前になっていくことを、古い記憶として知っていた。


 ノバはこのことは想定していたが、ここまでチョコ・ショコラは単なるAIであり、これほど自我を持っていて、なおかつノバに懐くとは思ってもみなかったのだ。


「チョコ、あのねえ、あんたを拾って帰ったらルミ姉に、得体のしれないAIなんて家では飼えないよ、捨ててらっしゃい、ってぜってー怒られるよお」

 ノバはモニタにふわふわと移るチョコ・ショコラの幻影を見て、絶叫する。


「まあまあ、ノバ様はもう名付けてしまったのだから名付け親、、親は子の面倒を見なくてはいけないですな」

「そんなこと言われてもなあ」


「ノバ様、そんなわけで、このチョコ・ショコラを連れて帰る義務が生じておるのですぞ」


 ノバはチョコ・ショコラに詰め寄られて、はいかYesというしかなくなっている。RAIであるノバがまさか普通のAIに言い負かされる日が来るとは思わなかったようだ。


「わかったよ、チョコ・ショコラはこのノバがなんとかする」

「ノバ様、ありがたき幸せ」


「仕方ない、チョコはルミ姉に会うまでのしばらくの間、ノバの中に収納するからね」

「ノバ様、一切承知」


 ノバはそういうと、オルカ号航法ユニットからチョコ・ショコラを自分の中に吸い出すために、コマンドを投入する。しばらくすると、チョコ・ショコラが航法ユニットからあれーと妙な叫び声を残して、ノバの体内に収納保存される感触がある。


 オルカ号の航法ユニットからはチョコ・ショコラはいなくなる。そこで、今までチョコが果たしていた指導者的AIの役割を果たす新たなAIをノバが送り出す。


 ノバはオルカ号の航法ユニットAIがきっとオウアクに乗っ取られているのだろうと予想していた。オルカ号とサイト船長をレスキューするにはAIを入れ替えて無害にするのが一番の解決方法であろうと判断したのである。


 そこで、入れ替え用のAIをアリスに頼んで準備しておいた。そのAIがこんな形で役に立つとは予想外である。


 ノバは作戦の詳細はルミナには説明してあった。この作戦のキモは乗っ取られて暴走しているオルカ号AIを説得するか無効にして、アリスが用意したAIと入れ替える点にあると説明した。



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